ショコラに夢中
一人でいるときはほぼipodで音楽を聞いていて、それもそれでよくないなあ、ってことで自分で意識してイヤホンを外すようにしているのだけれど、先日半年くらいぶりに松屋で牛丼を食べていると、有線で流れていた曲がとてもいい感じで、印象的だった歌詞「８８の夢物語」をメモして、検索すると、ヒットしてくれた。早速借りて聞く。
http://www.youtube.com/watch?v=4YLwHGzNnSU
Allegro Cantabile - SUEMITSU & THE SUEMITH
こういうピアノロック、ネオアコみたいなのって無条件で気分が良くなる。女の子ヴォーカルのキラキラハウスみたいな。元気をもらえる音楽。この曲以外もいけれど、作曲者の末光篤のアルバムも良かったのだが、こっちは全然youtubeに曲がない…（それがふつうなのですが…）
あとキルラキルのOPのシリウスもよかったー元気出る感じでアニメの主題歌って感じするし、それだけではないこの歌手のフレッシュな魅力もある。
http://www.youtube.com/watch?v=Lz-uxl3qTwc
藍井エイル 『シリウス（Music Video）-Short ver.-』
エンディングのさよならポニーテールの曲も可愛くて好きだ。PVはアニメ版の方が好きだが…。いや、これも味があっていいけどね！
http://www.youtube.com/watch?v=wRuPbsD4n_w
さよならポニーテール 『新世界交響楽』
あー俺って結構脳天気の阿呆で、それでいいなーって感じに思える。幸福の、幸福な音楽。
最近リサとガスパールとアーモンドピークでコラボをしていて、未だに虫歯の治療中なのに、アーモンドチョコレートを買うとリサとガスパールのシールが一枚入っていて、買ってしまう。やばいかわいい。ちょうかわいい。死にそうに可愛い。
キャラクターものに対する熱って、俺は結構色々かわいいと思う方だと思うが、ほしいとまではあまり思わないのだが、リサとガスパールは五六年以上好きなままだ。絵本の出来がいいのもあるけど。てか、原宿のKIDDY LANDでリサとガスパールのコーナーがなくなっていて、恥を忍んで店員にまで聞いたのに！ やっぱり俺の見間違いではなかった。ファッキン！
いや、ノーファッキン ノーフューチャー。可愛いものについて考えると、脳がとける。まあ、俺の場合これ以上溶けたらどうなるんだ、って話なんだが。
でも、簡単に脳を溶かすなら、ポップソングとチョコレート。
えすとえむの『その男、甘党につき』を買う。昔はとてもおもしろかった、現在休刊してしまったcontinueの女の子向けので連載していたのだが、正直読んだときはそこまで思い入れはなかったのだが（この作者の他の本がとても好きなので）、まとめてよむと予想以上に良かった。
ショコラを何よりも愛する、弁護士のジャン=ルイ、彼とショコラにまつわる短篇集なのだが、話が一話完結で読める内容なのに、全部の話が緩やかに繋がっていて、それもまた楽しめるというのも作者の力量の高さを味わえる。
個人的には小さいころルイが母のパールのネックレスをバラバラにしてしまい、二度としないでと叩かれてしまう短編が一番好きだ。
そんな（美しかったであろう）母も今は病院で食事制限もされている。そんな彼女にルイは店頭でたまたま見つけた、パールショコラを送る。
「花が枯れる頃に来るのね」と母が口にするように、有能らしき弁護士のルイは、責務をきちんと果たしているのだろう。母はそんな優等生の息子に、少し苦手意識をもっているらしかった。
パールショコラを母に送るルイは先生に二、三粒なら、食べても大丈夫だと先生にうかがってきたと告げ、息子の手からパールを唇で受け取った母は、「おいしい」と涙を流して、ずっと、あなたを撫でてあげることもしなかったと謝罪する。
「怖かったのね
どう接していいか わからなかったの
あなたは 繊細な子だったから
抱きしめたら ショコラのように 溶けてしまうんじゃないかと」
するとルイはそれを聞いて安心したと言う。
「僕を溶かすほどの愛が あなたの中にはあったわけだ」
そして、母は看護婦に花瓶の水を捨てるように言う。そして次に来たルイに言う。
「遅かったわね 見て 花瓶の花がすっかり枯れてしまっているわ」
母の意図に気づいているであろうルイは「次は枯れないうちにきますよ」と告げ、話は終わる。
これ以外も気の利いた作品ばかりで、読んで幸せになれる、ショコラを口にする時のような、幸福で上質な短篇集だ。
安くても高くても、舌に残っても残らなくても、一人でも二人でも、ショコラは、チョコレートはいつだって俺にとって幸福な食べ物だ。虫歯が早く治りますように、でも、食事はおかし、みたいな生活はさすがに三十なので自重しようと思います、俺、おとななので。おとななので、チョコレートばかり食べても誰にも怒られない。大人も悪いものではないのかも、な。
君もきっと、ショコラに夢中！
安野モヨコ、小西康陽、野本かりあの超スイートな曲（とジャケ！）！！！
