あの蒼穹に くれ給えムッシュー

 雨脚が止ずに気が進まないけれども、浅草橋のパラボリカ・ビスで行われていたローゼンメイデン展に行く。行ってみると驚いたことに行列ができていて、チケットを買うまで25分はかかった。行列がとても嫌いなオレは途中で帰りそうになった。元々狭い会場でチケットと商品を売るレジが一つしかないということなのだが…普段ならともかく、ここらへんは行列しているならうまくしてほしかったなあ、と思ったり…

 客層は男性と女性が半々というかなり珍しい感じで。濃い感じの服装の人は居なかったが、数人ロリータ系の洋服を着た人もいた。

 先日終了したローゼンメイデンはかなりきれいな終わり方をしたように思えた。元々萌え漫画的な人気があったが、主人公の人形達は「お父様」に愛されるために、至高の少女になる為に、何百年もアリスゲームで闘っている、という設定はかなり好みだ。その中でも主人公格のドール、真紅は言う。「生きることは闘いでしょ?」

 作品の中ではひきこもりの少年と闘いとお茶が好きなドールのどちらもが成長する話になっていて、よくできているなあと思った。ひきこもりの少年が闘いで片手を失った真紅を慰めるシーンはぐっときた。ひきこもりの少年は真紅を慰めるために、自分がかつていろいろな人に言われたような凡庸な慰めの言葉をかけてしまっていることに気づく


「腕が無くてもお前はお前だろ」と「学校に行けなくても……」と家族に言われていたような言葉をかけ、喋りながらも自分自身で戸惑いを覚える。

 そんな少年に彼女は言う「でも私は完全でなくてはならないのよ それはあなたが人間で私は人形だから ジャンクの人形なんて誰もいらないもの」



 でも、人間でも、人形でも、どちらも完璧にはなれないし、それぞれ、愛おしい。


 同時に恋月姫ビスクドールも展示されていたのだが、渋谷のマリアの心臓が閉まってからは気軽に彼女のドールを見られなくなっていたので、久々の対面だった。本当に、美しい。恐ろしく美しいドール。

 やはり写真ではなく、実物を見たいと思わせてくれるドール。

 女の子のお人形をオレは割りと色んなのをかわいいな、と思うが、ほしいとまでは思わない。でも、彼女の人形は違う。誰のものにもならないかのような、美しい、人間を拒絶するような美しさを湛えた、まるで自立している「かのような」、そんな恐ろしい、いつまでも眺めていたくなるドールだ。

http://www.youtube.com/watch?v=OuUEOTT0T_w


ALI PROJECT聖少女領域



 ちょっとこっ恥ずかしいけれど、ローゼンの主題歌で、当時大好きだったアリプロの曲。でも、このくらいの方が、きっと、生きるためには楽しくっていい。嘘も虚像も、人形も人間も、オレの現実の中に。


 最近メタルマックスシリーズの最新作をプレイする。いつもの、崩壊した世界の生き残りがしぶとく賞金稼ぎをしていくゲームだ。


 崩壊後の世界、みたいなのがロマンチックなのは、ペシミスティックだったりするからではなく、どんな状況でもしぶとくサヴァイヴしていく様が、クレイジーでわくわくするからだ。異国の別の世界のクレイジーな出来事を思うと、しかしオレの生きている場所でだって、中々下らなくって、結構刺激的で面白いなって思える。自分の意志次第で、安定だって不安定だって得られるんだって。

 大したものがなくたって、覚悟を決めたなら、大抵のことはできるんだって、そう思うから。

http://www.youtube.com/watch?v=XrQDler5ecg


ALI PROJECT Boukoku Kakusei Catharsis



 仲の良い友人とカラオケに行くとよく歌う。いつも不評だ! でも、


 あの蒼穹磔刑にしてくれたまえ 天と地が結ぶ場所に僕は立つ

 

 とかかっこ良くないっすか笑 オレもこれからのくだらない人生のために、ぜひとも新しいタトゥーが傷跡か、恋人を求めて。