神々の目とテラ銭の洗礼を

わりと体調もよくなってきて、まあ、気を取り直していこうぜ
ってもう12月じゃんか!!!
あ、バルドー主演の『気分をだしてもう一度』っていい邦題すね。『裸でごめんなさい』『この神聖な御転婆娘』『殿方ごめんあそばせ』とかも、超キュートなバルドーのアホセクシーコメディにぴったりだと思う。

 阿呆に、楽しく、それと幾らかの。

 積んでいた本とかを消化しつつ、調子が良くなってきたから、またついつい色々買ってしまうわけで、本当に買い物が趣味というか超好きなので、買っても買っても未読とかのものがたまる…来世は倉庫みたいじゃない家に住みたいな! 生まれ変わり信じてないけど!!

 古本で安いから、とかいつもの気のない理由で
『ドールメイクレッスン(オレは一切メイクはしない)』
『パリのかわいいおみやげガイド』
『スイスのかわいい宝物』
『中国の小さな古墳巡り』を買う。小物とか雑貨とか旅行記とかの本が好きでよく買うのだが、こういうのは買っても買ってもきりがない。しかも写真付きだから見るのはいいのだが単価が高いんだよね。

 『スイスのかわいい宝物』はそのオレには買いづらい名前に反して写真も構成もとてもすっきりしていて、しかもスイス映画の『マルタの素敵な刺繍』の紹介もされていた。おばあちゃんが田舎で新しいことを始めよう、という日本では珍しいタイプの映画で、映像も美しいし、甘くないがポジティブな内容だし、見ていて元気をもらえる映画だ。

『中国の小さな古墳巡り』は、こういう本って圧倒的にヨーロッパ系が多いし、物珍しくって買ったのだが、内容はあまり濃くないものの、中国の古びて薄汚い風景に赤い提灯やら壁やら溶けたロウソクやらの組み合わせはとても好みだ。

 最近の本はレイアウトとかがとても洗練されているというか、センスがいいのが多いなーと思う。特に料理本を見るとそれを思う。オレは料理をほぼ作らない(下手)なのだが、実用性(文章量)の低い料理本のシャレオツ加減がここ数年でかなり上がっているような…まあ、見るだけのオレにはとても楽しいのだけれども。

 旅行記とかを読んでいると、外国とか行かないの、みたいに言われることがあり、方向音痴で不精のオレも行きたくないわけではないのだけれど、本を読むだけでもとても楽しい。まあ、超金持ちなら、転々とホテル暮らしなんて最高だと思うけれど。バックパッカーにはなれないかもしれない。好きな時に本を読みたい。本を読みたくなくなったら、旅に出たくなるのだろうか?

 外国の風習とかのテレビ番組とかも好きだ。その地方の食べ物とか、法律とか、宗教とか、自然とか、その一部を目にするとすごく刺激的だ。色々な理由でその国の文化や芸術が発展する様を目にするのは不思議な気分にもなるし、興味もわくのだ。

 優れた作品や、音楽とかを聞いている時にふと、自分がどこかに行っているような感覚におちいることがある。その瞬間は、オレにとって大切な瞬間だ。

ふと、想起するのは、セリーヌの『夜の果てへの旅』。主人公が気を許すことができた相手との別れを選択する場面。


 僕らが一生通じて探し求めるのは、たぶんこれなのだ、ただこれだけなのだ。つまり生命の実感を味わうための身を切るような悲しみ。


 この主人公の心情に完全に同意するということではないけれど、でも、この言葉はとても美しいと思う。この主人公が皮肉屋ではあるが厭世家ではないのも重要だ。


 ジュネやらマザーテレサの存在を想起する「愛しなさい、忘れなさい」と思えば、思えるならば大抵のことはうまくいく。得をしようなんて傷つかないようにしようなんて思わないで、歩みなさいということだ。自分自身でどこかにいけると思えるのなら、きっと、オレは大丈夫なんだろう。

 最近友人と週一くらいで会ってゲームをしている。ちょい歳も離れているし、そこまで気が合うというわけでもないのだけれど、その友人とゲームをするのはとても楽しいし、負けたくないとか、別の新しいのを作って対戦しようとか色々考えるのが楽しい。

 小さい頃はゲームが世界の中心で、ゲームのような世界で生きたいなあとか魔法が使えたら、なんて夢想したこともあったけれど、現実だって、十分魔法使いの生活のようだ。

 sf作品はあまり惹かれないのだけれど、クラークの「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない」という言葉は好きだ。ネットが発達して、様々な時代の文献やら生き方に簡単にアクセスできるなんて、多元宇宙を生きている、プレインズウォーカー気分で。

 だからニアヒア、な設定のゲームがすごく興奮する。大好きな女神転生も舞台が東京で新宿渋谷池袋とかが異世界になってるのとか。
 
 悪魔が蔓延る崩壊した東京で、銀座のヴィトンやシャネルから洋服を漁って換金したり、おばあちゃんに新宿のゴールデン街の写真を撮ってあげたり。東京都民で良かったと思える瞬間ですね笑。

 こういうニアヒアな感じが好きだ。巧い、嘘と現実が混ざり合って、混濁している感じ。夢の中のような。オレは霊とかの存在を信じていないし、それが必要な人にあるのだろう、という認識だ。フォイエルバッハが言う、神学とは人間学だという言葉に深く共感する。でも、神様がいたらいいな、と思うし、神の照明が不可能なように、神がいない証明だってできないのだから、神様、がいるかのようなきぶんで。

 https://www.youtube.com/watch?v=G25RcOr1WKM

アーバンギャルド / ときめきに死す(30秒SPOT)

 ときめきに死す、ってロマンチックで(狙った)安っぽくてキュートで、げんきをもらえる。ポップソングはいつだって一瞬の幸福で、そういうのをつないで生活していけるのかな、なんて。


https://www.youtube.com/watch?v=XrTiT3YkUQg
Crystal Castles - Baptism


 こんなBaptism (洗礼)なら受けたいな、なんて。叫びとテクノって相性抜群だ。



https://www.youtube.com/watch?v=jQp3g5AxzS0
 Final Fantasy - Matoya's Cave


 ファミコンの最初に出たファイナルファンタジーのマトーヤの洞窟の音楽はかなり好きだ。耳に刺さるファミコンのビットミュージックの中で、水晶で出来た瞳を探してくれと魔女にお願いされる。そこで主人公たちは世界の目<世界地図>を見るすべを学ぶのだ。

 ファミコン、の耳に刺さるビットミュージックはとてもとてもすきなのだが、イヤホンでずっと聞いているとかなり辛い。疲れる。魔法ばかりの生活でいられるわけでもないのだけれど、魔法の旅の、好きなことを考えてくらしていけたなら。