神様コンピューター奴隷社会小咄

色々物を作ってみた。
作ってみた、とはいっても、ブローチやペンダントトップ、
それもボンドで色々つけただけ。
なんだけれど、作っている最中は夢中で、とても楽しかった、

個人的にはシンプルな物よりも、めっちゃ過剰でごちゃごちゃしたのが好きで、そういうのは例えば俺の好きなギャルソンやらドレキャンやらドルガバやらが出しているけど、アホみたいな値段していたりするので、だったら自分で作ろう、と思ったのだ。

 家にある教会グッズとかを貼っつけまくったら、それなりに様になったような気がする、まあ、でも、最初なんでこんなものかなー程度だけれど。

ただ、もっとちゃんとした道具がほしいとかいう欲求が出てきて、そしたら一つの材料費だけで5000円位になってしまって、だつたら市販品買ったほうがクオリティも値段的にもいいじゃんか(特にブランドの中古の品だと顕著だ)とか思ってしまうジレンマ!

 手作りは楽しい、けども、こだわってしまうと、色々と厳しいなーとかもやもや。

 午前中に映画を二本見る。モネのドキュメンタリーは、字幕が日本語の選択がなぜかできなくて、外人の話の10%位しかわからない有様…

 もう一本のカール・ラガーフェルドのドキュメンタリーは、普通に、かっこいいーって感じで面白かった。こんな80過ぎのジジイっているか?ってレベルのクールな佇まいと、そのクールな精神。行動的情熱的、そして孤独を愛する。
 
 俺がこの先歳を重ねる上で、かっこいい先人の存在って、とても刺激を受けるものだ。かっこいい、ってのはその人の精神がすごく尖っていて、常に戦ってきて、その集積が年齢に、人生に現れるものだと思う。

自分はリタイアせずに、かっこつけていられるかな?

 その日は午後から友人と銀座のエルメスで、映画。
十年以上前に見た、フェリーニの『フェリーニのローマ

時代も風俗も聖性も、見せかけも実際の息遣いも、様々なものをコラージュしてめまぐるしく画面に映し出していくというのはものすごいパワーを見るものに与えてくれる。
大画面でこの映画を見られてよかった。

 フェリーニといえば、個人的には『甘い生活』や『カリビアの夜』とかの冷たくて切ないイメージがある映画が好みだけど、何よりもエネルギッシュで(大女が大好きで!)あることを改めて感じた。熱情、って、すごく、素敵なことだ。

 その後、銀座の貴和製作所に友人についてきてもらった。俺、桜木町で初めて貴和製作所という、アクセサリーの道具屋さんにカフェが併設されている施設を知り、横浜はこんなのあるのかいいなーと思っていたのだが、調べたら銀座にも原宿にも新宿にもあるのね…まあ、そのほうがありがたいのだが…

 で、改めてその道具の数々を目にすると、パーツだけでも欲しくなってくる。俺の欲しかっためっちゃ大きなブローチの台座は残念ながらなかったし、元々女性向けアクセサリーの道具を売っている店だから、俺が買うにはあまり適しているとはいえないのだが、やっぱり、色んな道具というか、アクセサリーになる前の宝石(イミテーション)の欠片たちを目にするのは、すごく楽しいなあと思った。

 あ、これ、欲しくなる、みたいなのが多くて、我慢したけど笑 だって、それ一つだけじゃなくて、そのパーツを何個も組み合わせなきゃいけないから、マジ金がいくらあっても足りない笑

 最近少しだけ気分がハイだったり、時折、ふと、落ちたりするのは、仕事を変えたせいも結構大きくて、つい、洋服を買ってしまう。本やら映画や音楽の消費はいいことだと思うが、気が付くと服屋に行くのはさすがに(金銭面でも)よろしくないような気がする。

 俺にとっての大好きな洋服って、身体に刻んだタトゥーとか、もっというと王様とか戦士になれるような気分になれるアイテムなのかもしれない。日常生活に適さない、阿呆なデザインの洋服たち。でも、そういうのを着て街に出ると、何だか、自分のことを肯定的に思えるような気がするんだ。

 好きなものをちゃんと好きと言える生活。大切なモノを大切にできる生活。つまらない嘘をつかなくて良い生活。

 いい年して、そんなのはガキの戯言じゃないか、とも思うけれど、神様や悪魔、花々や髑髏がプリントされていたりする洋服のおかげで、俺は様々なものをもらえている。無神論者の俺は、そういうのを感じられる生活がいいなと、心から思うんだ。

 画像も出来上がりもアレですが、一応できたもの。