傾奇者根なし草王子

最近仕事のストレスフルで、買い物ばかりしていて、というか、気がついたのだが、この所毎日服を買っていることに気がついてしまった!!アホやー

 てか、マジカードで払うと感覚がなくなりますねほんと…財布に入れていたレシートをふと、見返して身体が震えた。仕事辞めたいけど止められないやんけ笑!!

 買い物スイッチが入っている時の、あの飢餓感と、恍惚って、なんだろう、って思う。手に入らないものを、自分のものにしようと、必死でもがいている感じに近いのかもしれない。

 でも、悪いことだけでもないし、やっぱり、好きなもので自分ができているかのような気分になれるのだ。自分の身体は自分で作らなければならない。身体も、見た目も、精神も。

 俺は短気だし怠け者だし、勤労意欲もないので(こう列挙すると屑だな笑)きらきらしたガラクタの中で、ふと、何もかもがどうでも良くなってしまうこともあるけれども、ガラクタ、いや、色んな作品が、明日もどうにかしていこうって、熱い気持ちをくれる。

 三十過ぎの男が言うのも馬鹿馬鹿しいのだが、俺はアンドロイドとか勇者とか天使とか、そういう人外のものになりたい願望があって、多分、俺の尊敬する芸術家の精神性に惹かれるのは、そういう通底する何かがあるからだと思う。

 無神論者でありながら、神、神的な何かを求めてしまうということ、そして、俺は、神によって信仰によって、救われたくなんてないということ。

 バタイユの言う供犠のように、或いは投棄の精神。「愛しなさい、忘れなさい、輝きなさい」そう強く思い、行動するような意志を持てるならば、俺はきっと平気なのかなと思う。

 先日かなり久しぶりに兄とあった。兄は俺とは間逆に近い感じで、アゲアゲ笑で堅実で営業をしっかりこなすマジメなサラリーマンだ。兄との共通点があるならば、ふたりともブランド物の洋服が好きだということかもしれない

 兄と六本木ヒルズのestnationに行く。兄はGIVENCHYの襟元に星が刺繍されたシャツをとても欲しがっていて、俺も欲しかった、五万もするけどね!
 あとジミーチュウの星スタッズ靴も俺も兄も欲しかった。十万するけどね!

 てか、その中でも、ESTNATIONのジャケットに細かい細工がされているやつがめっちゃクールだった。お値段は80万円なりーアホか!でもかっこいいんじゃー。でも、こんなん一生買える気がしない

 きちんと働いている兄は、カードで買っちゃおうかなーとか言っていたが、いくら馬鹿な俺でも、この価格帯の物をカードで買うようなことはしない。てか、俺ブランド物セールか古着以外では買えないわ…

 これがきちんと働いている人との差なのだけれど、でも、これに関してはあまり後悔してはいない。人生の中で何を選ぶかってことだ。

 ただ、俺とは違って底抜けに明るくて未来も明るい(もちろん兄にも悩みとか葛藤はあるだろうけれど)人と話すと、気がふ、っと楽になるというか、俺も頑張らなきゃなーと思うことが出来る。

 作品に触れて、消費して、考えて、自分でも作るということ。

 最近の無駄遣いも、そういう意味では、まあ、本当に無駄ではなかったのかなとも思う。

 ちなみに、今日、ブランド古着屋でイヴ・サンローランのジャケットが売っていて、黒のジャケットに金の縁取りがされた上品な王子様スタイルで、めっちゃめちゃかっこよかった!!! ちなみにお値段90万!!! アホかー

 でも、こういうアホな値段設定の、素敵すぎる服は、見るだけでもテンションが上がる。

 王子様って、歳ではない俺だけれど、そういうギラギラした感じの、ドルガバやドレキャンやギャルソンやらの、日常生活に全く適していない洋服が大好きで、そういう服を着ている自分は、何だか、好きでいられるように思える。

 傾奇者、という言葉が俺は好きで、最近の自分の中でまたその単語というか、そういう人たちについて考えている。雑に言うと、江戸時代の貧乏人の若者達がめっちゃ派手な格好をして、その日暮らしとか悪さとかしていながらくらしていた、みたいなことなのだが、俺もそういう意味では根なし草の傾奇者、阿呆者だなあ、と想う

 でも、俺にはそういう生き方しかできないし、それならば、そういう傾ける、馬鹿げた輝きを大切にして、そして、それを形にしていきたいな、と思う。

 つかめない、消え去る輝き。でも、俺はそれを愛す。