本雑記

 何だか調子が悪くて、気づけば家で横になっている時が多いのだが、いつまでもそんなわけにはいかない。外に出て、歩きながらipodで音楽を聞くほうがきっと、いいことだ。

 友人に誕生日に何が欲しいかと聞かれて、今井キラ『パニエ』という画集をいただいた。angelic prettyという、ちょい年齢層若めのキュートで甘い洋服ブランドとのコラボ作品が多数収録されていて、マジで一ページごとに可愛すぎてヤバイ!全ページかわいい!

 彼女の描く少女たちは、目がかなり離れているし、そこまで大きくもない。でも、アイライン引いてマスカラにつけまつけてる、ちょっと不機嫌そうだったり物思いにふけっているようなぼーっとしているような、ある意味等身大の女の子っぽさもあるかわいさと、ロリータ服が似合うドールっぽさも兼ね備えていて、とてもかわいい。

 ロリータ(女の子)はかわいいでけでは魅力的ではないと思います。

 中平卓馬『原点復帰 横浜』を買って読む。彼の写真集は、引っ越しをしまくっているので、図書館でかなり見てしまった。これも見たのだが、買いたくなって、買った。

 でも、写真集は高いし大きいから場所取るし(しかも一番大好きな彼の写真集はほぼ借りて読んでしまったのだ!)躊躇したが、やっぱ、買ってよかった。

 この本では昔の写真と今(当時)の作品も収録されているのだが、その全くスタイルの違うどちらもが俺の胸をうち、さらに言うならば、浅田彰にほめられるような批評文を書くような神経質で真摯な彼が、病気でそういった厳密な文章を書く能力を失った後の写真のほうが、さらにすごい、と思えるのが本当にいいなあ、と思う。

 写真は目の前のものを写すだけ、なのに、彼の写真は、別格だ。そこにあるんだって、下手な技工なんて無くて、あるがままの姿を写している、かのように、思えるなんて。

 あと会田法行 『バグダッド路上の少年たち』を読む。イラクストリートチルドレンを撮った写真と、そのレポートが交互に挿入される形式で、刊行は2004年だが、いま見ても古びないし、同じように劣悪な環境で、たくましくずる賢く情けなく痛ましく生きる子らは大勢いるだろう。

 ケンカをしていたり、シンナーを吸っていたり、蹴り飛ばされたりしているシーンを収めている写真は、ルポとしても結構貴重というか、生々しさがある。そして、著者の彼らが「写真とるな 金くれよ」という態度を崩すために、彼らの名前を覚えて呼びかける、という行為が子どもたちの警戒心を薄れさせるというのは、複雑な気持ちになった。痛ましく、しかし、仕方がない。

 例えば、学校に行っていない、行けない、あるいは家庭環境が劣悪な子に「正論」を説いても、救援物資を用意しても、意味が無い、あるいはとても困難なことなのだ。俺らは義務香育を受けていて、恐らくそういった常識とかの範疇の中で生きている。しかし、生きるために限られた選択肢しか思い浮かばないのならば、それをだれが責められるだろうか? また、教育するということが良いことなのか、俺には言いよどんでしまう。

 これは少年兵やアーミッシュに以前ブログでも触れたが、彼らのことも想起する。

 まあ、日本でも、別の、ぬるい、真綿で首を締めるようなアトラクションが待っていて、俺らが、俺が、できることはきっと、駄文を垂れ流し、好きなものに好きということ、それを、忘れないこと、その位なのかもしれない