魔法使いはいつ夢から覚めちゃうの?

気分が落ち込んで仕方がないというか、体調も悪くって、しかし家の中で腐っていても仕方がない。新宿のNEWoMANでやっていたマジックザギャザリング25th展に行ってきた。

 

 正直、このマジック展に行ってみたのyoutube動画を二本も見ていたのだ。内容はだいたい分かるのだ。しかも、当たり前だが、展示はカードを並べている感じだし。カードはカードショップでみられるし。

 

 ところで、このマジックというゲームは、俺が小学生の頃にめちゃくちゃはまって、当時はウルザブロック、というのが最新のエキスパッションで、だからそのあたりのカードは今見ても本当にわくわくする。

 

 というか、引退して何年もたつのに(途中一度復活した)まだいろんな人の動画やショップページを見たりしているという……そして最近数年ぶりにパックを十個くらいかったが、全て爆死した! これ、ほんと金持ちの遊びなんだよね。カードは高いし、内容も少し難しいし(すぐ慣れるけど)カード屋さんもプレイヤーは平均年齢2.30代って言ってたし。

 

 本当は大好きなゲームなんだ。でも、遊ぶには仲が良い友達(同じくらいの腕前と言うか、同じフォーマットのデッキを持った人)というエベレスト級の問題がそびえたっている。当然俺は一人でカードを眺めるだけー みんなどうやって友達ゲットしてるんだろうか……ポケモンGOとかでつかまえてるのだろうか……

 

 そんでもって、とにかく家にいるのが嫌だったので、MTG展に行った。したら、整理券をもらって、一時間後に再入場と言うことになった。中は大分込んでいて、正直いつもの俺だとそれだけでサヨナラしたくなるレベルだったが、なんとかこらえた。

 

 中でオタクが小声で熱く語っている声がそこかしこで聞こえた。ちょっとうらやましかったし、発言の細かい間違いは訂正したくなってしまった(友達がいないオタクあるあるー。って、そんなことをするくらい無粋ではない)。あーやっぱ友達とわいわいきたかったなー

 

でもなーみんなカードゲームって、ガキのあそびって思ってるもん。別に間違いじゃないけどさ。スマホゲーはみんながしているからオッケー。でも、ガチで何万、何十万、それ以上もカードゲームにつぎ込むのは「キモイ」って思われるんだよね。趣味は平等なのにね、寂しいことです。

 

 でも、マジックは本当にすごいんだよね。(他のカードゲームを貶める意図はない)絵柄もシステムも、フレーヴァーテキストも本当に質が高い。そして原画も展示されていて、有名な

等の原画を見る機会があって、やはり生の油彩、水彩画は筆致が印刷とは別の迫力がありとても素敵だ。

 

特に大好きなレベッカとニールセンの原画は家に欲しいレベルだった。あーこんな時に俺がお金持ちだったら、なんて思ってしまう。でも、見るだけでも十分楽しめるんだけどね。

 

後、マジックのアニメーションも見ることが出来た。森本晃司らが二作品のアニメを発表していて、時間が数分間で、長いマジックの歴史を考えるとどうしても映画の予告編みたいな内容になってしまっているのだが、それでも結構見どころがあり面白かった。マジックのウェザーライトサーガか兄弟戦争のアニメ見たいなー

 

 それで、来場者にはセラの天使のプロモをもらえて、入場料500円。マジでいい展示だったー。久しぶりに行った展示だったし、行って良かったなー

 

 帰宅して、オスカー・ワイルドの『幸福の王子』を読む。読む前から泣くかもしれないと思ったら、やはり泣いてしまった。本当に胸が痛くなる。『フランダースの犬』とか『ロミオの青い空』とか、『人魚姫』とか、こういう童話にほんと弱いんだ。

 

 こういう主人公がひたむきなファンタジーを目にすると、少し、自分の中にも硝子片のような輝きがあるような気がしてくるのだ。

 

 マジックザギャザリングと言うゲームは、自分がとても力のある魔導士になって、カードを操り相手と戦うゲームだ。小学生の俺は、大切なカードを操って、まるで魔導士みたいだった。

 

 いつ、みんな魔法から醒めてしまうのだろう?

 

 それが死であるならばいいのにな。

 

 魔法の為に、この酷い体にファンタジーを流し込んでいく。自分の身体が幻想とチョコレートで駆動している、と考えると、まあ、悪くはないのかもしれない。