メランコリーの天才
気分はいつもの通り。いつも最低で安定。そんな時に男の作ったテクノミュージックなんて聞いたら死にたくなるから聞かないほうがいい。そうそう、
Serph - Pen on Staplerとかいいよね
https://www.youtube.com/watch?v=L0Wz2jLNdeU
(skyrimの方が好きだが動画で無かった)
MELANCHOLY 「Twilight Gloom」
https://www.youtube.com/watch?v=0-Nq8v4yyHM
メランコリーってなんのこと? 俺幼稚園児のころからこんな感じ。
なのだけれども、死にたいなんて思っちゃいけないきっと。死にたいなんて、死にたいなんて思っちゃだめだ、そう、スパンクハッピーが活動再開するんだし!
曲名は『夏の天才』
だってよ!
正直俺は岩澤瞳のボーカルがほんとに好きなので、期待と不安と共に聞いてみたら、
新しいスパンクハッピーは、アヴァンでアンニュイでポップで、最高! 新しいボーカルのODさんもいい感じのアンニュイさにほのかなキュートさがあっていい感じですね。
https://www.youtube.com/watch?v=McJ2Bd1Mma4
スパンクハッピーの曲を聴くと、菊地が好きだと言っていた、フェリーニの『甘い生活』のことを想起する。豪奢で絢爛で退屈で虚しくて居場所がない映画。素敵な夢に迷い込んで、追い出されてしまう映画。映画の魔力、なんてものがあるとして、それを余すことなく体現している、かのような映画。
ポップソングはすべて甘く虚しく哀しくて最高。代わりがきくのに、初恋じみた、百円で買えるチョコレートのような狂気をくれるのがポップソング。勿論、『夏の天才』も
お茶のことをたまに自分の小説で書くことがある。しかし素人が書けない、書くべきではないことは沢山ある。例えば、映画で舞踏をテーマにしたものがたまにあるが、それらは失敗しているように思える(俺が成功例を目にしていない)。
それは編集できる映画で他のジャンルを表現しようとすることが極めて困難であることを示しているということだろう。あきらめをもってあるいは省略や愚直をもってそれに当たらねばならない。
勅使河原宏の『利休』や市川崑の『東京オリンピック』のような姿勢。
にしても、素人の俺でもお茶をたてていただいた経験位はある
幼児の肌のような分厚い茶器の口縁に口づけた時の感覚は今も覚えている。グラスは口当たりが薄いのが高級品なんて言うけれど、濃茶、冬向きの厚手の茶碗は土の肌、といった感があるぬくもり。礼儀作法なんて知らなくても、唇の舌の官能は感じることができる。
よくおもてなしと言うけれども、裏を返せばサディスティックでオブセッションの達人が茶道には向いているはずで、とかいう思想が出る時点でお茶を習うにも仕事に出るにも不向きなのだと自分でも感じるのだが、ほら、さあ、
釜肌がごつごつしていて、まるでルブタンの靴みたいな釜肌のことを霰肌っていうんだって。本にそう書いてあった。素敵な名前だ。ルブタンの靴でシャンパンを飲むスノッブよりも、霰肌で火傷を負って、その傷痕を恐る恐る撫でるほうが素敵じゃないか(個人の感想です)なんて着想が生まれるなんて、茶道ってポップソングみたいに素敵ですね。
意地汚いのかオブセッションが頭の中に住んでいるのか世界への親和性が低いからか、しょっちゅう過剰なことを求めてしまう俺、例えば、過食。何かを口にしているときに、次の何かを求めてしまうはしたなさ、恐怖。
こういった時には小さくて高いお菓子がいいと識者は言うけれど、そうそううまいことはいかない。だって、少なからず気分が悪くなりたいんだものきっと俺たちその時は。その時はね。
でも、不幸が好きなんてわけでもない。不幸が好きでも美しいのは、(美形の)ティーンネイジャーだけだから。お酒が飲めるようになったら、不幸ともほどよいお付き合いを心掛けるべきだ。
インスタントな依存先を大人はそれなりに知っているはずだから。
チョコレートを食べすぎるのは、砂糖を食べるのがよくないのは、血糖値の急激な上昇と低下らしいのだけれど、和菓子、干菓子、和三盆糖の干菓子ならそれを抑えることができる。
季節を模す干菓子は舌の上でじんわりと甘く広がる。ガツガツ食べるものではないし、見た目がとてもかわいいというのがいい。正直、味は洋菓子の方が好きなのだが、見た目は和菓子が好きだ。家に何冊和菓子の本があるのだろう?
和菓子の本を読むと四季の、暦の勉強にもなる。俺の好きな『花筏』だって和菓子になっている。散った花びら(桜)が集まって、川の上をすべっていく。
美しくも哀しい、どうでもいい。砂糖をあっという間に消費してしまった後の様。
虚しいのは、メランコリーはパッシブスキル或いは標準搭載だとしても、やはり気持ちいのが、ポップソングみたいな瞬間が好きだ。
いつでも哀しいなら、チョコレートを、エビリファイを、それでも効かないなら人間を土を、獣を。それでもだめならばきっとあなたは小説を書くほうがいい。