残虐行為手当欲しい

 珍しく日々おしごと。めずらしい……? まあ、いい。とにかく、へろへろになりながらも、それなりに調子が上向きになっていく、こともある。元気じゃなくてお金とかの心配をすると、気分が落ち込むだけですしおすし。

 タレントがテレビで、歯磨き粉と洗顔フォームを間違えて、なんて、たまーに目にすることがあって、俺はそんなんあるかよ、あんま面白くねーなって思っててさ、先日髪をセットしようとジェルを出して、髪に撫でつけてたら全然決まらなくてあれ? って思ったらジェル状のシェービングフォームでさ、慌ててシャワーかぶって、濡れた頭に無理やりジェルで仕事へ。

 っての今週で二回もしてしまった。バカなのかな?

 でさ、昼休み、中目黒。ランチ高いし。お昼のランチで九百円、千円が普通なわけで、俺みたいなプレインズウォーカー<多元宇宙移動魔法使い>はそんな金ないわけで、ドンキホーテで賢くお買い物だーあーマジドンキ安いしほんとドンキは皆の味方だよね、あれもこれも買うべ買うべ、で、いろいろ買ったらレジでお会計千円……あれー店員さん間違えてないっすかねーってレシート見たら、ずらずら並ぶ食品。店員 イズ JUSTICE 。俺 イズ BAKA 袋の中には一食じゃ食べきれないお弁当とパンとおにぎりとおそうざい。

 まあ、疲れてるんだよ俺。

 肉体労働をするとへとへとになって、気づいたら寝ちゃう。本なんて読めないマジで。会社員で読書家の人マジ凄い。俺は無理かなー無理会社員、ダメ、絶対。

 でさ、仏教系の対談集を読んでいてふと思ったんだけど、諸行無常ってことばがわりかしあがっていて、ならさ、釈迦の教えも移り変わる物なんじゃないのか? なんでそこは変わらないものとして信じ続けるのだろう? 

 キリスト教とかの方が強引で、神様偉いから信じろよ疑うなよ、みたいな信者以外は分かんねーよ納得できねー的な感じがあり、だから俺は教義に従うというよりかは考える、仏教の教えが面白いなあ、と感じるのだが。

 帰依する、ということに対する関心と危惧が自分の中である。強固な体系を受け入れる人のことが気になる。俺も大きな物語とか神様とかがいたら素敵だと思うんだけど、そういうのってレヴィナスの言う外部で、だからこそ機能する、と考えるのがとてもしっくりくるのだ。口に出せない程の恐ろしい物に、名状しがたいものに、ふれてしまえるだなんて、考えづらい。

 なんて御託、書き散らすのも多少の余力があってこそ。労働でへとへとになったら寝るだけだ、映画だって見れないよね、なんで、少し前に見た映画の感想。

 

 成瀬巳喜男監督  川端康成原作 原節子出演『山の音』を再び見る。前に見た時は学生だったと思うから、十年以上前になるだろうか。川端の原作は高校の頃に読んで、話の筋は複雑ではないから、気軽に見返そうと、この映画を手に取った。

 割と多くの人が思うことらしいのだが、小津に似ている。人物を中央に配した切り替えしとか、構図や柔らかな陽光、自然光(的な穏やかな明るさ)がスゲー小津っぽい。

 あと、原節子がいるからだろうか。原節子って昔の日本映画の中にいると、すごく異質な顔のつくりをしていて、外国人のような彫りの深さの彼女が一般家庭の気の良い奥様、みたいなのを演じているのを見ると、それだけで奇妙な感じがしてきて、しかしそれは汚点欠点では決してなく、しかし俺はお嬢様や奥様として古い映画に登場する彼女を見ると、役者が飛び出してきた、かのような、今自分が見ているのが映画なのだと思い知らされるような、不思議な心持になるのだ。

 映画としては川端原作の不気味な、主人公男性の背骨を舐めるかのような死の影老衰の影、といった物が鳴りを潜めてはいるのだが、それでも何だか奇妙な感じがするのは、俺が原節子から抱く印象からだろうか。

 

もう一本、成瀬巳喜男監督、高峰秀子出演『稲妻』

 原作・林芙美子、監督・成瀬巳喜男、主演・高峰秀子

 って並び、ほんと好きなんだ、『放浪記』『浮雲』ほんと好きなんだ、でも、この映画は、どうなんだ。自分の中で評価をつけるのに困った。勿論出来が悪い映画ということでは決してないのだ。なのにさ、消化不良というか、四人の兄弟の父親が全員違う、ってのいかされていたのだろうか? それでラストのやり取りがあるのは分かるのだが……もう一つくらいドラマがないと、なんて思ってしまった。それにラストも俺にはなんか物足りなかったんだよね。あっさりしすぎていると感じた。

 まあ、見ている時は楽しめたんだけどね。勝手な期待が大きすぎたのかもしれない。

 仕事終わるとさ、疲れ切ってるんだけど、なんだか歩きたい気分で、一駅二駅歩きながら帰る。ipodで曲を聞いたり、口ずさんだりするんだ。何も解決していないのに、何もいいことなんてないのに、何か、良いことがあったようなこれからあるような気分になる。数十分位、歩いていたい音楽聞いていたい小声で歌っていたい。

 カサブランカ・ダンディ - 沢田研二

 

 

 沢田研二 阿久悠 マジいいっすね。セクシーってこういうことなんですね多分。

"MILKY WAY" TOWA TEI with Yukalicious, Joi Cardwell & Ryuichi Sakamoto

 テイトウワ 外れないって感じですよね。けだるいのに悲しいのに幸せ。まるでハウス、クラブ、ソウルミュージックみたい!!!

 働いて帰宅して。そしたら売る物を段ボールにつめる。怠け者なのに俺、自分が自分じゃないみたい。たのしいかなしい。