アクリル絵の具で描いた記録

メンタルとしては、色んなことが重なりとてもぼろぼろで、しかしもうすぐ誕生日を迎える。毎年誕生日位は自分の喜ぶことをしようと思っているが、仕事探しやらキチガイクレーマーやらその他問題で気が休まらない。

 そんな折、アクリルで画を描き始めてみた。百円ショップで材料を揃えた。

 以下、ここ最近、だいたい20日間で描いたアクリルの画の記録を出す。アクリルに触れたのは初めて。始めた理由は、百円ショップで売っていたから(あと、水彩はなんか苦手だから。修正が難しいので)。

 俺は、小さい頃は画家になりたかった。美大に行って勉強して、油絵を描きたかった。でも、実際は学費や自分のデッサン力の無さに、諦めることになる。特に石膏像デッサンが苦手だし嫌いだった。しかも、石膏デッサンにおいて、俺とはレベルが違う、上手い人が沢山いることを知った。

 ああ、俺は画家には向いていないんだ、そう思った

 でも、好きな物は他にもあって、今の俺は小説を書き続けている。お金になっていないが、十数年続けているので、自分で自分の書いた小説が好きだと言える。それはとても幸福なことだと思う。

 しかし、俺しか読まない小説を書き続けていると、さすがに疲れてきた。生活もうまくいってないし、十分頑張ったし、幕引きの準備が、二十代の頃とは違い、とてもリアルに俺にせまってきた。

 あっけない、むなしい幕引き。好きな物を書いた。それだけが、俺の慰撫。

 でも、ふと、二十年ぶり? 位に画を描いてみたのだ。たまに、書こう描こうと思いながら、見ないふりをしていたのだが、アクリル一回目。

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 へたー!! 幼稚園児が描いたのかな? でも、とても楽しかったんだ。色を塗る、というのが楽しくってたまらなかった。同時に、百円の筆があまりにも使えないので、世界堂で筆を買って、二回目

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 あれ? 思ったより描けてる? アクリルを使うのも狐を描くのもほぼ初めてというか、まともな画を描いてこなかった。自分は劣るから、諦めていたのだ。

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 これが四回目くらいかな? 大体の画にはモデル(写真、画像)がある。一応歴史に残っている名画やら、ネットで見られるプロやアマチュアの上手い人の画は沢山見てきた。だからなんとなく構図や処理の仕方は分かる。でも、影のつけ方、身体デッサンはボロボロ。それでも、何も考えずに色を乗せるのが楽しくて仕方ない。

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  相変わらず背景が雑! 誤魔化し方も下手! でも、虎の子供は初めて描いたにしてはそれなりに上手く描けているような。

 

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 キツネは勿論こんな色ではないが、好きな色でぬっていいってことに気付き始める。6,7回目くらいかな?

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 大好きなユニコーンを始めて描いてみて、あれ?思ってたよりかは上手く描けているのでは? と思った。背景が相変わらず適当だし、右の白い装飾的な(リアルとはいえない、模様の花)花は、もっと描くべきだと思った。

 少しずつ、自分の描きたいものが分かってきた。ファンタジックな、昔の絵本や小説の挿絵の世界。リアルな描写も必要だが、それ以上に構図とイマージュが求められる美しい世界。俺が憧れている画家やイラストレーターの世界。

 

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 十回目くらいかな? 蓮が、雑。しかも一番細かい筆がぼさぼさになって早くも使い物にならなくなる。ショックだ。貧乏な俺には材料費も馬鹿にならない。後、人間は難しい。それにこの一番楽な正面顔だって、影のつけ方は悩む。リアル寄りにしたいのだったらもっと描くべきだし、シンプルでいいなら、他の画材でいいのでは? と思ってくる。

 描いてみて、自分は画が描けないのではなく、自分は画が描けないと思い込んで諦めていたことに気付かされる。自分は画が下手だからと言い訳をして描かずにいた。その代わりに小説を書き始めたのだから後悔はないが、自分に「写実的にかける能力(物をとらえる能力)がないから駄目」という呪いをかけていたのは、よくなかったと思った

 ふつーだ。普通。練習すれば、「普通に」画がかける。またはこの先、かけるようになるだろう。頑張ったらふつうにできるよ! ってさ、怠け者のおれには嫌なんだなー。でも、一応十数年小説を書いてきて、やはり積み重ねでしか得られないものがあるってことは、身に染みて分かっているんだ。

 小説は二十代からむやみやたらな自信があったが、画をかくことについては無かった。

 ただ、画をかくのは初心者だから、間違っても雑でもいいのだと思うと、挑戦する気が起きる。

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 これが11回目? 一番新しいやつ。相変わらず細かい所が雑だし、背景!もう少し配置をよくできるだろ!!(というか、描きながらその場のノリでかき足してる)。でも、自分がやりたいものが少しずつ見えてきた気がした。

 同時にああ、俺は沢山勉強しなきゃなって思った。当たり前なんだけどね!!!

 この百均スケッチブックの一枚の画をしあげるのに三~五時間くらいかかっていると思う。色々と慣れていないせいもあるとは思うが、もっときちんとした画を描くとなると、やばいな。気軽に色を乗せてたのしーではいかなくなる。

 でも、画を描くことで逃げ道が増えた気がする。何かを作っていると、それが誰かの役にたたなくても、俺にとっては救いになる。

 というかね、俺がきちんと働いていたなら、液タブ? パソコンやタブレットでおえかきしたい。アクリルもしたいし、デジタルおえかきもしたい。

 何かをしたいって、とても前向きなことだ。お金の問題で難しいけれど、その気持ちは忘れてはいけない

 毎日、色んな不安やトラブルで、家の色んなの処分で終わろうかとも思っていた。でも、それでも踏みとどまる力をくれたのは、自分で描くことだった。

 何でもいい、どんな状況でも作りたいものがあるならきっと。

 綱渡り人生。もう脱落したいとおもってるのにな、苦しくって、たまに幸福な夢を見るんだ。夢に触れるには、努力しなくっちゃな。めんどくせ。でも、きっと、それが俺の幻のような幸福