僕の好きな吐き気

俺にとって世界一セクシーな男は、カートかルー・リードで決まりなんだけど、普通の時に彼らの音楽を聞いていないことに気が付いた。彼らの音楽は気分が悪い時や、気分が良い時によく合う。

  音楽をただ聴いて、ぼうっとすることが、せっかちな自分はあまり出来ない。大抵は読書ついでに聞いたりするんだけれど、そんな時にわくわくする曲を聴くと集中できなくて、かといってシガーロスとかトータスとかをかけても寂しくなってしまうから、頭の悪い曲がいい。ヒューマンリーグとか、女の子が可愛いだけのポップスとか。って、今フィオナ・アップルきいてんだけどね。フィオナが可愛いかどうかはお好みで。

 読書の邪魔にならないといったら、クラシックがやはり一番合うかもしれない、と最近思う。単に今までクラシックをあまり聞いていなかっただけかもしれないが。バッハとショパンばかり繰り返して聞いている。グールドの演奏するバッハ。木漏れ日から抜け出す瞬間の音楽。グールドについて俺は顔がかっこよくて神経質でピアノの達人、ということしか知らない。でも、それでいいと思っている。全然知らないことが沢山あるのだと感じると、わくわくする。もし、老後があるのなら、クラシックが老後の楽しみになればいい。