2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

白昼夢パレード

日々感情が固まっていた。そんな時に、ドコモでひと月映画アニメ見放題でだらだら昔のアニメや映画を流しっぱなしにしていた。どこを見逃しても困らない、金太郎あめのような、初めを見たらオチまでわかってしまうような作品を。安心感のある、生ぬるい沼に…

がらんどうの住人

町田康の新作を久しぶりに読む。相変わらずの珍道中エッセイなのだが、売れっ子作家が数千、数万で困っているのは、実際に困っている人間にとっては文学の中の話であってもなんか白けてしまう。いや、楽しい作品なんだけどね。滑稽譚ってことで、俺の指摘も…

灰になるまで

田中慎弥『孤独論 逃げよ、生きよ』を読む。田中といったら、芥川賞の発言で一時期話題になったが、その生活スタイルも当時とても奇異なものとして色々な所で目にしたのだ。 彼は高校卒業後、ずっと家にひきこもっていて、幼くして父を亡くしたので母と祖母…

やがて消える火

電車賃が惜しいとかみみっちいことを思いながら銀座のエルメスで『ポー川のひかり』を見る。 ヨーロッパ最古とされる、イタリアのボローニャ大学。夏季休暇に入ったばかりの図書館で、大量の古文書が太い釘で床に打ち付けられるという衝撃的な事件が起きる。…

世界の合言葉が恒常性ならば俺は哀しい

友人とメールをしていて、モヤモヤしていたことを言葉にした。いや、前々からずっと思っていたこと。変わらないこと。色々なSNSやらネットでつながることが増えてはいた。それ自体はとてもいいことだ。でも、物凄く感じるのは、何かを作る人達、(サービ…