cd借り

 オレ、薄々感づいてはいましたが、もしかしたらBAKAなのかもしれないのですよね、だって、ほら、まだ月の半ばにもなっていないのに、家に、レンタルのCDが、何故か40枚近くあるんですよ! 月の合計ではなく、現状、NOW四十枚。ばか?

 まあ、これはひとつの店舗で満足せずに、普段利用しない店舗に行ってせっかくだからとまとめて借りて、あれ、他の店舗でセールしてるやんけ、したならその店舗でも借りるべ、ついでにネットでもレンタルしたせいなわけで、寝る間を惜しんでCD聞いてます。途中で眠くなって寝ちゃったりしてます。バカ?

 http://www.youtube.com/watch?v=L0Wz2jLNdeU

  Serph - Pen on Stapler


 いやーいやされますねー。雨って、眺めるのはとても好きだけれど、一人で外出する気が失せるのがよくない。だから梅雨って苦手だ。こういう甘いエレクトロを聞くと、身体の中が循環されていくような感じがする。


 小さいころ、親と一緒に六本木の今はなきWAVEに行って、そこで大量のCDを目にして(CD屋さんだから当たり前なのだが)ひどく驚いて、そして、「こんなにCDが、音楽が沢山あるのだから全部を好きになれないから、好きになるのをやめよう」と思ったことをありありと想起できる。

 多分小学校にあがるかそこいらだったと思うのだが、その頃からこういう神経質で完璧主義な性格というのはもう、一生治らないものだなと思う。でも、全部を知ることは無理でも、ちょっと疲れてしまっていても、とにかくえいやって、新しいのに触れるのって気持ちが良いことだ。


 葬儀を祝祭にしてしまう国のことを思う。メキシコの死者のお祭り。お盆のようなものだと思うが、ナスやキュウリに足が生えたものよりも、骸骨のケーキのほうがもっとスイートな気がする。日本の陰気な、夏目漱石 森鴎外 幸田露伴、みたいなのだっていいけれど、もう少しロマンチックな音楽、文学も。


 


http://www.youtube.com/watch?v=6okxuiiHx2w&list=PLgR8BSl9a3jYGkFnW8x_9VoOC2mXMPTpt

Breakbot - Baby I'm Yours feat. Irfane


 ソウルフルなナンバーだけれど、あまり激しくないのがいい。繰り返してリピートしたくなる。

http://www.youtube.com/watch?v=_iz9SqrCU1M
 FRENCH POP 「une fille dans la pluie」


 十年以上前に好きだった曲、というか、今でも趣味変わってないなーって思える。かわいいのならなんでも好きだ! 


http://www.youtube.com/watch?v=N8m9Mms18hw

Sa・Ga2 秘宝伝説 (Final Fantasy Legend II) - 必殺の一撃



 あと、ゲームボーイのサガ2の戦闘曲! これはマジで熱いイトケンサウンドで、ポケットの中でキャラクターが生きているんだって、そう教えてくれる。スピリチュアルなことや宗教的なことには隔たりを感じるオレだけれど、ゲームの中のフィルムの中の本の中の虚構なら、信じられる。身を任せられる。


 アニエス・ヴァルダの『幸福』を見る。ずっと見たい、と思いつつ、超見たい映画監督の作品を見ようと思えば簡単に見られてしまうのが怖くて見てなかったのだが、まあ、でも、CDを馬鹿みたいに借りるように、適当に好きなものに触れて。


 子供も居て愛し合っている幸福な家庭で旦那さんが他の女の人も無邪気に愛してしまって、という作品で、いやあ、他のオレの好みの監督、クシシュトフ・キェシロフスキやハネケのようにありありと見せつけるのでもなく、かといってベルイマントリュフォーのように暖かいわけでもなく、一番近いといえば、オレの超超好きなユスターシュに近い感覚かもしれない。

 温度を認識できないという恐ろしさ。ぞっとするというよりも、自分が存在している不可思議への親近のような。

 とはいえ、彼女の一流のセンスの良さ、構図、カメラワークの良さというのはたまらない。画面が美しい!と心から思える映画(監督)って何人いるだろうか? 他の監督をけなしたいわけではなくて、自分の中で誰かがいるのならば、それはとても幸福なことだと思う。


 カラー映画なので、個人的には『5時から7時までのクレオ』の方が好きかな、とも思うのだが、オレはなんでモノクロの世界にこんなにも惹かれるのかな、とも思う。日本的な美意識(というのがあるとして)のもとで育ったからかもしれない。ミニマルアートにも通じる、最小限の、静謐な作品たち。

 でも、カラーの現実の美しさ、恐ろしさというのもまた、心地良いもので、そこに自分もいるんだってことを意識するべきなのだろう。



 好きなモノがたった数百円で目にできてしまうのは、やはりあまりにも幸福なことのような気がして、たまにくらくらしてしまう。まあ、オレの場合はふらふらしている場合でもないのだけれども…。

 でも、こんなロマンチックなことばかりしていると、エレクトロと無声映画ばかりの生活だとオレの放置された安ワインの澱のごとき勤労意欲が完全に消滅するわけで…いや、まあ、そのオレの自分自身への不実にもだいぶ慣れたわけだけれども、まあ、アイドルとかラリった曲もたくさん聞いて現実世界で生きるチカラをもらおうと思います。


 そんな倒錯したのがいつもの日々


http://www.youtube.com/watch?v=n9E_B2zrZOY

Kosmos, Cosmos 雪歩