買物したよ

友人に誘われてパルコでしているアメリカン・コミックアート展に行った。昔はX-MAN やSPAWNのコミックを飛び飛びで古本屋で買って所有していたのだけれど、今は全て売り払ってしまった。てか、アメコミに全然詳しくない俺。

 というか、俺はアメコミどころかアメリカの超有名娯楽映画、例えば会場に展示されていた(いないのもあるけど)バットマンスターウォーズスパイダーマンバックトゥーザフューチャーもスーパーマンも一切見たことがない。嫌いとかじゃなくて、単に見る機会がなかった。

 のだけれど、展示は結構面白かった。規模は小さいが入場料はたったの300円だし。映画で使われた武器とか、日米のイラストレーターの描いたイラストは見ていて楽しかった。何より、自分一人では絶対来ないから、こういうのっていい刺激になる。もとよりアマゾン大好き引きこもりがちな性格なので、どうしても趣味が偏り(って俺だけの問題じゃないけど)身近な、慣れた、心地よい物ばかりに触れてしまう。だから知らないものに連れて行ってくれるというのは、とてもありがたいことだと思う。

 てかね、実はパルコの受付で、地下で同時期にチェブラーシカ展をしているって知って、チラシ片手に「なーなチェブラーシカやってるってチェブラーシカやってるよ! なあ! 今やってんだって、なあ、後で行っていい?」と友人に言うと冷やかな対応をしてくれて、受付のお姉さんがそれとは対照的な温かく業務的なしてくれ、ひとまず上りのエスカレーターに乗りながら、「平日の昼間っから長髪長身髭面の男がチェブラーシカチェブラーシカって連呼してんの!」と一人ノリ突っ込み(でいいのか?)を友人(男)にすると、

「そんなの誰も何とも思っていないよ」

 と適切な回答をくれて分かってるわそんなん俺だって! 受付のおねーさんは仕事上沢山アホをスルーするスキル持ってるわ! と思った、けど言わなかったぜ俺大人だから俺、行ったぜチェブラーシカ展。これから公開される映画の宣伝の為の、こじんまりとした物販コーナーって感じだったが、チェブラーシカ可愛い。今まで「ちょっと好き」位だったけど、こうやって沢山のチェブラーシカを目にすると(売店なので当たり前だ)、こう、ドキがむねむねするね! シールとポストカードとマグカップを買いました。本当は人形が欲しかったけど、何故か(俺の思う)可愛い人形はなかった、てか、こんなんに金使ってる場合かよ、場合ですよ、ね?

 その後、服屋にも寄ったのが悪かった。てか、ラグタグが悪かった。ブランド物の古着万歳。見るだけのつもりだったの俺、以下、購入したもの、

 モノグラムのシャツ、And Aのショルダーバッグ、swaggerの羽毛カモフラ柄ロンT、TORNADO MARTの白のライダース、全部定価で買ったなら五万は軽く超えるんですけどそこはラグタグ! ハンパない価格で買えました。

 てか、俺は長身ヒョロガリ体型なので、かなり合う服が限られる。そして古着で売れ残るのは、「これを着るお前の身長2M?」とか「これを着るお前のアバラ出まくってる?」とかそういうサイズで、そういうのは当然売れ残るから爆安なのだ。しかも都合のいいことに、多くの人が悪趣……あまり着ないデザインの洋服が俺は大好きで、これも売れ残る。売れ残る物は安くなる。

 要するに、金に縁がない俺でも、運良く洋服を手に入れることが出来るのだ。悪趣味わーい!

 久しぶりに洋服を沢山買って、かなり気分があがった。着ていく予定なんてなくても、作ればいい、作らなくっても、いい。洋服を買って、俺は幸せだった。

 ヴィヴィアン・ウエストウッドが「男は海賊、女は御姫様を目指しなさい」と言った(と思う)。最高に素敵な言葉だと思う。そういう小説を今書いている。どうか傲慢さを忘れないで。他人への礼儀も忠義も大切だけれど、傲慢さが乱暴さが横暴さが素直さが失われていると、人が生きている価値なんてあるのだろうか? 恒常性と、後少しの喜びと悲しみの生活。そんなの俺は欲しくない。

 海賊。(俺、少年ジャンプでワン○ースあんま好きじゃなくてリボーン好きだから、ここはひとつマフィア、ってことで)その道は恐ろしく険しい。勿論御姫様への道も。だからってそこから目をそむけてばかりはいられない。

 ここのところどうにか心を落ち着かせることばかりに腐心していて、手が全く進まなかったけれど、どうにか、また、傲慢さを動かすことができそうだ。

 買った中で特に気に入ったのが、TORNADO MARTの白のライダース。ヒョロガリの俺がやっと着られるようなタイトなシルエットで、下手したらへそが見えそうなヤバい丈。でも、それを着ると気分が変わる。お洒落大好き野宮麻貴が言ったように、単純なこと、「ファッションは気分を盛り上げるもの」だから。

 顔の整形とかはやだけど、洋服に恥じないような、そんな精神でいようと、いくらかの時間をくれる。どうかカッコつける時間を。

 そういえばカシラでゴッホ展のチラシを貰った。ゴッホの画も生き方も、何度も目にした。会期は今月の20日まで。別に行かなくったって支障ないのだけれど、何だか今、彼の描いた、印刷には映らない筆致が見たいと思う。あの偏執的な、情熱。とにかく、悲しいことは後にして、お得意の空元気と元気で俺。

 あ、チェブラーシカの映画は見たいけど見に行くの恥ずかしいし金ないのでレンタルしようと思います。早くレンタルになれ、てか、今日つかった金で超超欲しかったゲームセンターCXの新作が買えたことに気付いた。まあ、それは、それとして。