シャッター押せ早く(悪玉)

 体調が悪けりゃ気分も悪く、っていつものことか、いつものことですね。

 表参道ヒルズで「PHOTOGRAPHY」展という展示が行われているのだが、その最終日に行ってきた。この展示無料なのだが、見所が二つあって、まず、

ライアン・マッギンレー、
テリー・リチャードソン、
ナン・ゴールディン、
スティーブン・ショアー
ウィリアム・エグルストン
マーティン・パー

という豪華なメンツが参加しているということと、もう一つは彼らが全員、富士フイルムのX Pro1という、デジカメを使用していることだだ。

 11月に新宿のグッチで森山大道の展示があった。その時の技法がシルクスクリーンで、かなりマットで高級感がある仕上がりになっていた。中山岩太安井仲治のちょい軽薄でグラマラスな部分のいいとこどりみたいで好みだ。近づいてみると光沢のある黒が艶めかしくて綺麗だった。

 正直、好きなので、森山大道の他の作品と比べると、という点を感じないでもなかったが、グッチの、という冠詞をつけるなら満点といってもいい出来だと感じた。なんか上から目線みたいだけど、まあ、要するにスゲーなあと思ったんす。

 十年近く前、彼がヒステリックグラマーとコラボしているのを原宿の店で見たときはこの位なら他の人でも撮れんじゃね、と思った(まあ、好きですけど)けど、あのグッチの展示は良かったなあ、グッチ持ってないし欲しいと思ったことないし、てか買えないけどね! ヒスは持ってるけど、着るには若さが!

 朝早くから出てちょっと服やを冷やかしながらキディランドに入ったら、何かのコスプレをした店員さんがチラシを配っていて、俺、取ろうとしてんのにシカトっすよ! いや、こういうことは慣れてるんだ、マジ、結果、奪い取るようにしてチラシ取った。

 東欧の小さな国チェコの おやすみ アニメ アマールカ、だそうです。アリスとアンパンマン足して二で割った感じで、あおいゆうファンの女子が見たそうな感じだった(適当)

 いや、問題はそうじゃなくて、いつもの売り場にリサとガスパールがねえよ、とよく探したら、スゲー売り場小さくなってんの。買わないけど眺めるのが好きだったのに! なんてことだ! 今度買うから売り場を広くしてくださいあと、チラシはかわいらしくない男にもください。

 展示は休日だというのに、表参道ヒルズ自体人が少なく、折角のビッグネームで無料なのに、人がちらほら。しかも贅沢に作品に対してのスペースの取り方が広々としていて、正直もっと作品が見たいなあと感じた。

 で、実際デジカメの画像でどうなんだ、ってのはライアン•マッギンレーやテリー・リチャードソンの作品では、大きく彩度の高いモチーフをプリントしていたせいもあるが、近くに寄るとデジカメで撮ったんだな、とわかるものだったけど、それでも彼らのモチーフが少女と花で、それぞれキッチュでファンタジーな感じで収めていたので問題点とは思わなかった。

 ウィリアム・エグルストンは好きだけど、点数が少ないので(全員少ないけど)ちょっと残念。この人の作品はニュートラルでインパクト勝負ではないけれど、実際はこんな綺麗な風景ねえよなって感じが好きなので、多く展示してる方がいいと思うんだけど。

 こういうのって、ナン・ゴールディンみたいな人が一番上手くとるのかな、と見る前は期待していたのだけれど、個人的には初見のマーティン・パーという作家の鮮やかでちょい風刺的な作品が一番好みだったし、デジカメ展示という題に一番合っているような気がした。中央部には各作家の写真集もあったし、無料なのにすごくいい展示だった。

 写真はとても好きなんだけど、自分で撮ろうと思ったことはなかった。怠け者の俺には、シャッター押すだけで超楽なのに。

 でも、多分、ちょっといいもん撮ってやろうとか、そういう助平心があるから気軽に撮れないのかな。なまじ色んな人のを見てきて色々と意見があるだけに、自分がショボイのを出すのは気が引ける、

 けどさ、別に俺写真家になりたいわけでもないしなー。旅の恥はかき捨てってことで二枚、十年前の携帯のポンコツカメラで撮影してみた。まーこんなんだけど、待ち受け画面(文字の背景)としてなら、まあまあってとこかな、分からん、でも結構楽しい。もらいものの、しまったままのポンコツデジカメ取り出して、街を撮るってのもいいかな。きっと、楽しいような気がする。風景を切り取る、みたいな陳腐な大冒険俺も。

 公園でフリマをしていたので、シャツを一枚とポンデライオンクッション(電池を入れると震える)を購入。ミスドには数年行ってない。最近パスコでリサとガスパールのシリコンスチーマーが必ず当たるキャンペーンが始まったので、パン生活が始まる。健康のためにご飯納豆豆腐生活をしようとしていたのだが、またあっさり挫折しそうです。

 最近また何も出来なくって、嘔吐だったけど、こうやって外に出て、誰かのかっこいい作品に触れるってのはやっぱいいことだなと思う。調子悪いほど不精になるけど、気分転換は必要だよな、って俺の人生気分転換ばかりだったりして。