罰も自然も君の物

 クソ腹が立つことがあり、代々木公園でシャボン。それを決意しながらも、真夏にシャボン玉(しかも電動のシャボン玉機で)とかラリってんのかよ、とも思うが、とにかく勢いで決心を固める。

 するとパルコ前でアルコール・フリービールの新商品のライムフレーヴァーの試飲を行っていて、けだるような暑さの中で口にしたせいか、とてもおいしかった。発売されたら買うかもしれない。

今月末まで、(渋谷、新宿の)某ハンバーガー屋で激辛バーガー10分で完食したら一か月バーガー無料フェアを行っていて、俺は辛いのが苦手なのだが、とても惹かれていて、でもこれ、参加費で必ず二千円かかるわけで、それを思うと中々挑戦が出来ない。あともうひと押しで参加するのに! 量は大してないのだ。多分プロモーションなのだろう。でも、万が一食べられてもタダ券で何度も通うのは恥ずかしいし、でも、あったら使いたいし。痛し痒しの皮算用


 とか雑念満載で公園へ。木々の多い公園で、日陰になった水辺で、小さなスピーカーで音楽を流しながらシャボンを出していると、何も解決はしていないのだが、少しだけ気持ちがほぐれるような気がして、やっぱり来て良かったなと思う。

 代々木公園にはよく、メジャーではない、民族系の楽器を演奏している人がいて、やっぱり外で演奏するのって気持ちがいいんだろうなと思う。俺もタイコ位なら叩けるだろう。

 木々に囲まれた水辺は思ったよりもずっと涼しく、快適で、少しだけ、リラックスしてしまう。
 
 ぼんやりと、爽やかな曲をかける。なんとなく、適当に、夏しばりで、

 jazzin'park のsummmer love
http://www.youtube.com/watch?v=Uwp_muvChUM

 paris matchのsummer breeze
http://www.youtube.com/watch?v=HqXEsoMQxC0


なんて爽やかなのもいいけれど調子に乗って、やくしまるえつこのsumeer of nowhere

http://www.youtube.com/watch?v=evEdkado7dk

このアイドル歌謡曲風の現代版上質悪趣味リメイクはとても可愛らしくて好きだ。

 きづいて とどいてね 私のドキドキシグナルを

とか公園で歌う29歳日本男子。でも、楽しい。

 ふと、レイヴには一回も行っていないなあと思う。もしこの先俺がインドにいってゴアトランスっすよ、とか口走っていたら、もう、それは人生の終わりだと思うが、広い場所で、大音量で踊るのは、もしもその場に乗れるのならば、結構いい気分なんだろうなと思う。

 色んなとこの話を見たり聞いたりしても、基本的には一部をのぞき、イベントというものは赤字覚悟か赤字で行われるものらしい。レイヴにはドネーション(寄付)という慣習がよくあるそうだが、エントランスフリーのくせにドリンク買わせまくる、みたいな感じではなく、ゆるい連帯って感じで、いいなあと思う。

 些細なことでどうしようもなくなってしまうけれど、大したことないことでも、幸福にもなれる。それはやっぱり、いいことだなと思う。

 たまっているdvdを消化。ピーター・グリーナウェイの『レンブラントの夜警』

 題材がレンブラント、というわけでもなく、本当にこの監督の光の使い方は上手い。それに何より、この人はいちいち構図が綺麗で、特に大人数を配置して動かすのが抜群にうまいと思う。物語だって、ちょっと皮肉が効いていて、あけすけなところもあり、人間がいきいきとしていて好みだ。

 のだが、多少、贅沢な倦怠を覚えることがあって、「贅沢な倦怠こそが映画」だなんてしょうもない感想も浮かんでしまうが、ヴィスコンティの映画のような、完成された、動物が飛び出る畏れの無い映画、と言ってもいいかもしれない。どちらの監督も好きで、大体見ているけど。三島の(出来の良い)小説に通じるところがあるかもしれない。見れば面白いのはすごいのは分かるんだ。

 それとは逆に先日拾った石井輝夫『徳川女刑罰史』なのだが、思っていたよりもずっと良かった。全然えろくもぐろくもない、実際もこんな風に行われていたのかと思うような、演出が抑えめの拷問風景に、メロドラマチックな三篇の題材が良い調和を見せていた。

 特に好きなのが最後の小編。名のある彫り物師が女の背に掘った拷問図をお披露目すると、それを地位の高い武士(らしき地位の)に紛い物だとこき下ろされ、「本物」を掘る為に、その男に頼んで罪人を拷問する場に同席して画を書く。

 しかし彫り師はそれだけでは満足せず、女をいたぶる「羅刹(だったかな?)」が描けない。だから貴方様がいたぶっている様子を見せて欲しい。と告げ、サディスティックな男はそれを了解し、再び罪人への拷問が始まる。

 しかし彫り師はそれでは満足しない。虚を突かれたようなサディストに彫り師は刀を深く深く差しこみ、彫り師をにらみつけるそのまなざしを「まるで羅刹のようではないですか」と満足し、寝ている女の背に、羅刹を直に彫りこんでいく。

 いやー他の話もかなり好みだったのだが、金が無いので見る前にアマゾン買取予約をしてしまっていた。あー残念だ。千円で買い取ってくれるらしい。昔の作品としては、結構な値段だ。でも、やっぱり厭だなあとキャンセルを試みたが、無理らしかった。シカトをすればいいのだが、まあ、そこまでする必要はないだろう。千円あれば、レンタルの映画が十本以上見れるからね!

 少年ジャンプ的殺し合い(そうか?)でわくわくしている俺にはドネーションもレイヴも似合わないかもしれないが、今年の夏には、自然も楽しめたらいいな。