悪い例

 ipodを買ってしまったのだから、今度はどんどんCDを入れなくっちゃいけない。昼に起きて、今まで買って放置していたCDの山を崩す。一度削除して完全に頭にあるアルバムもあるが、とにかくまた一から聞いて、入れる曲を選別する。

 ふと、気付いたのだ。うかうかしていたら120GBなんてすぐなくなるぞ!!!! てか、PCの動作遅くなるし。一応500GBのデュアルコア?、ての使ってるんだけど、もう、何故か知らないがHDの三分の一位うまってる。わけわからん。ファッキンPC!!!

 今度買うなら絶対ノートじゃなくてデスクトップのにする、

 のは遠い先の話、とにかく昼間に起きてからすぐ取りかかっていた。その間手持無沙汰なのでゲームをしていた。数年前に売って、100円だったから再度購入した『ONI零 復活』というPSのソフト。説明をコピーすると、

 平安時代を舞台に人間との共存を望む妖魔「隠忍」と、役小角率いる「五行軍」との戦いを描く。

 要は人間、妖魔、半妖で殺し合うゲームなのだが、このゲームはパンドラマックスシリーズの最終作で、パンドラマックスシリーズは、定価1980円で良質なゲームを提供、をコンセプトに作られている、

 のだがやはりこのソフトを含め、パンドラマックスシリーズは1980円クオリティの、色々と粗のあるゲームになっている。その点は仕方がない。頻繁に入るロードや画面のクオリティ見慣れたインターフェイスに目をつぶっても、序盤に三回も強すぎる敵からの理不尽なゲームオーバーってどうなの?、の後、特にレベル上げしてないのにザコは必ず一ターン撃破! しかも最初から使える全体攻撃で。ボスも仲間と攻撃すれば一ターン撃破。一ターンで死なないボスがいて、「オラわくわくすっぞ」と思ったら次のターンで死んだ。

 主人公達の成長システムが独特というか自分で完全に操作できるので、戦いとかに慣れていない人へ難易度が考慮されている、と解釈しようそうしよう。てか、俺は頭使わなくていいんだからラッキーだ。ありがとう!


 しかし、このゲームの魅力は「頭使わなくてプレイ」だけではなく、ストーリーはかなりどきがムネムネする内容で、ネタバレありで書くと、


「村に半妖(主人公達『ONI』)を殺しに軍が攻めてきて、主人公の友人でもある息子達を守るために、プライドの高い男前半妖が頭を下げ命乞いをするがあっさり殺され」「どうにか逃げのびた主人公達三人の少年少女に、主人公の父親が「これからは俺が全員の親だ」と言う感動的なシーンも」後に主人公達三人の前で父親が鬼に食われるシーン(低予算ゲームなのに、ご丁寧に一枚絵もある)で三人は全ての親を失い、(それぞれの思惑を胸にしながら)復讐に生きるようになる。

 またサブイベントも「愛した男が妖魔だったから、それを殺されるのを危険覚悟で見届け、妖魔が死んだ後はこの世に未練はないから出家する女」とか「優しさが故に動物と話せる能力を持ち、それゆえ親からも迫害される少女を救う為、少女の能力と一時的な村人の記憶を消すと、動物と優しく会話が出来ていた少女は性格の悪い少女になってしまった」とか他にも列挙にいとまがなく、

 中でも半妖(ONI)の定めとして、人間からも妖魔からも疎まれる存在であるのだが、その正体を知ってなお信頼してくれる人もいて、主人公達はその人達を守ろうとして敵と戦っている最中、主人公の力が暴走して戦闘後にその人々までぶち殺す(これもご丁寧に一枚絵あり)。

 と、書いて言ったらきりがないムネドキゲームなのだが、一番のムネドキは、最初に書いたが、これがパンドラマックスシリーズの最終作でありながら、このゲームはこれだけで完結していないのだ。鬱展開……「おおっと!」ムネドキ展開満載で、これからどうなるんだってところで、シリーズの中では結構売れたのに、続編なし。胸熱。

 で、ONI(このONIシリーズのゲームは昔から多数ある)の最新作がDSで出た! え? 続編? やったー! と思ったらそれが誰も擁護できないようなただのクソゲーで、クソゲーなだけじゃなくて、これも未完なんだって! 胸熱!

 そんな楽しいゲームを消音状態でプレイしながら、ひたすらCDを崩していった。ほうじ茶飲んでゲームして聞いたcdの一部をインポートして、とかひたすら繰り返し、

 も、四時間位で限界にきて気分晴らしにデレク・ジャーマンの『WAR REQUIEM 』をリラックスしようとして見たのだが、これが良くなかった。だってさ、俺、彼の映画10本程度は見ているけど、(生意気は承知で書くが、あ、いつもか)その中で一番「映画」として完成されていると思ったから。出来のいい映画。無意識で粗(美点)探しばかりしてしまう、というか、色々目に着く神経質な俺が文句をつけにくい、良くできた映画。でも、それってジャーマンの魅力か?

 内容紹介によると

「鮮やかな映像美と壮厳なクラシック音楽で綴る悲惨で残酷な戦争へのレクイエム!世界から消えない戦争をモチーフにしたデレク・ジャーマンの傑作! 第一次大戦に出征し、若くして亡くなった戦争詩人ウィルフレッド・オーエンと従軍看護婦を中心に、第一次世界大戦からイラク戦争と同じく石油を巡る戦争だったフォークランド紛争まで、くり返される実際の戦争のイメージを引用し、戦争の不毛さと悲しみを描いています。冒頭には何よりも平和を愛したオーエンの詩がナレーションとして使われ、世界から消えない戦争をモチーフにしたデレク・ジャーマンの異色作でイギリス公開当時“ヴィジュアル・オペラ”の傑作と評された作品です。 」

 で、この売り文句は大体合ってるかもしれないが、それってジャーマンの映画の撮り方とマッチしていたのだろうか? 戦争、詩的、オペラ、映像美、のジャーマンとしてはまとまりのよい綺麗なパッチワーク、だけれど、全然わくわくしないっていうか、しかし映画として完成度が高い「ように思われる」からこその不満と言うか、ゴダールの『パッション』から受難か情熱<パッション>を抜いて、ヴィスコンティ的な居心地の良さをプラスした感じだよこれじゃ(俺前にも書いたけどヴィスコンティも好きだ。あと、何だこの恥ずかしい比喩)!

てかさ、オムニバス映画の『ベトナムから遠く離れて』の本読んでるおっさん映したゴダールみたいなユーモアっていうか嫌味があってもよかったんじゃないの? それか『夜と霧』のレネみたいな真摯さ、いや、そんなのないからこそのジャーマン、やっぱ、ユーモア、嫌味が少なくて、真面目な主題は向いてないよ、と思う、けど、「完成」しているようにみえてしまうジレンマてか、超個人的な感想。


 しかもこれ見ている間にディスク不良で一部のシーンがどうしても見られなかった。何十枚もレンタルしていると、たまにこういうことがあるけど、ジャーマンの映画ならどれも平気さ! 優しいねジャーマン!

 そんな優しいジャーマンの映画を見ながら、というか単に体調が悪いからいらいらして、しかし見終えるとすぐにゲームとCDの選定を再開。次第に気分が本格的に悪くなり、下腹に刺すような痛みと吐き気まで加わってきて、しかし俺はマシーンを目指し目の前の「仕事」をこなしているうちふと、

 レンタルの期限が近付いていることに気付き、外に出る口実が出来たことにほっとした。音楽なんて聞きたくないからipod無しで、返却をすませ、スーパーで売れ残りで半値のあっためたカボチャとおはぎを買った。家に帰り、音楽を流し、ほうじ茶を飲みながら、本日最初の食事をゆっくりと味わった。

 色々書いていることと矛盾するようだが、最近食事はゆっくりとる、もしくはとらないようにしている。以前までは詰め込んで、飲み下していた。めちゃくちゃせっかちで、落ち着きが無いのだ俺。その癖胃腸は弱く、汚い話だが、月によっては毎回下痢とか、普通だった。でも、やっぱそれは普通じゃなかったらしい。てか、医療費を抑えなければならない。ファッキン医療費! CD買えなくなっちゃうよ? どうする?

 昼に始まり、日付が回る頃に一応終了、ということにした。今日から始めたゲームの中の時間は11:47と表示されていた。見間違いかもしれない。見間違うか、てか、どうでもいいや、以下、今日消化したのは、

cheryl lynn/whatever it takes
mansfield/it's mama's field
momus/voyager
mylo/destroy rock&roll
arab strip/the red theread
mondo candido/moca
星のカービィ ウルトラスーパーデラックス オリジナルサウンドトラック
すばらしきこのせかい サントラの海外版
four tops/more of the best
charlots/obsession
jennifer lopez/rebirth
wax/cataract
kaskade/bring the night
rei harakami/red curb
juno reactor/odyssey 1992-2002
dub archanoid trim/groff

あ、一枚ガチの洋楽ロック聞こうとしたら、二曲目でギブアップしてしてしまいました。やー体力ないときついねあれは! てか、これらのアルバム全部分かる人いたら、「こーらくえ○で俺と握手!!」絶対だ、おにーさんとの約束だよマジ、って、いるわけないだろ。こんなの、超有名どころと、ワゴンの品々を適当に並べてるだけなんだから。

 あ、でもこれらのアルバムはいいの多かったです。聞くと楽しいかもしれないです。でも一々コメントするのはさすがに控えます。してもいいけど(略)

 てか、未だ家に聞いてないのあるんだけど、半日で16枚のアルバムを消化したって、まあまあ仕事したって感じだ何が仕事だ、疲れた、呆けた。でも、しなければならないメンドクサイことなんだ。年末の大掃除? 今までしたことないけど、そんな感じなんだ。

 今、思考を要するような本が読めないので、その分CDとかを消費しようとやっきになっていたけれど、でも、ほんの少し、「普通の」本を読む余裕が出来て来た、かも。

 松浦理瑛子は好きな作家で、でも寡作だからすぐに読み終えてしまう。その中で、あんま読みたくないなあ『親指Pの修業時代』の上巻を読むと、ふくーだ先生が品のない本でご指摘されていた通り「実力作家の凡作、今更これじゃあねー」的な感想を俺も抱きました。いや、そこそこ面白いっていうか、松浦先生の本ですもの、嫌味とかじゃなくて、でも、下巻は読まないつもりです。

 CDの呪縛(って何のこと?)はまだまだ続くが、少し飽きてきてくれて、本が読みたい、読めるかもしれない、読みたいと思っている本が読めるかもしれないでもさ、本って沢山文字があって面倒くさいんだでもそんなところも好き、な本もあるよ。

 とにかく今日は疲れた。明日は疲れたくないなあ、ってもう日付は回ってしまっていて、似たような日々に、俺はまた繰り返すのだろうかと思う。