俺が眠りにつくまで、何度も同じことを言ってくれ

新宿のエレベーターで、目の前に立っている兄ちゃんが典型的ギャル男ファッションだなあ、と思ってよく見ると、あれ? ブーツに見たことがあるダガーのチャームがついていて、ライダースの金具もしっかりとしていて、全身クロムハーツっぽい。彼は通話していて、片手で持つスマホカバーはグッチ。おまけにかなりの腰パンで十数センチも赤いパンツが見えてるよお兄ちゃん。

 で、俺が高校一年位はこんな格好に憧れてたんだよね、お兄ちゃんがメンズエッグ買ってたから読んでたんだよね。まあさ、気合入ってるのはいいし、まあ、似合ってるんだけども、十数年前の俺がかっこいいと思うセンスというか、オタクとかヤンキー文化的なセンスって流行り廃りがあまりないのかなって思いました。

 って、そんな話をしたいんじゃなくて、

 新宿のドンキに行ったら、なんと、シャウエッセン(普通600円くらい)が50円になってたのだ。賞味期限は明日まで。それがなぜか冷蔵コーナーに山積みなんだけど、なんで? ドンキのこういうラリった感じ好きだ。意地汚い俺はシャウエッセン買いまくって、自宅に帰り夕飯はコアラのマーチシャウエッセンだ! って、ソーセージ12本食べたらマジ吐きそうになって、胃酸が逆流した。俺胃腸弱いんだ。コーラ飲むとげっぷでるから飲まないようにしてるんだ。マジドンキ策士だよ。ずりーな。善良な市民を食い物にしてよぉ。

 

 ってそんな話をしたいわけじゃなくて、ゲームの話。

 お正月にゲオのセールがやっていて、ゲームソフトを7本も買ってしまった。昔より集中力も時間もないせいか、途中で止めてしまうソフトが多い。または、いつでもセーブできるゲームばかりプレイする。

 そんな中、発売して半年くらいなのに700円でペルソナ3の音ゲーが売ってたから買った。中古で買っておいてなんだが、安すぎではないのか……いいのか?

 Persona 3 Dancing Moon Night OST - A Way of Life (ATLUS Kitajoh Remix)

 

 この曲が一番好き。原曲もよいのだが、このリミックス好みだ。ハウス風味のJポップってマジ好きなんだ。

 今はゲームのサントラって随分色んなのが出てきてる。俺はファミコンのしょぼい音、電子音だって好きだし、今はそういう昔のゲームのサントラが再評価され再販されたりもしている。昔のソフトの曲だって十分ポップなのはあるけれど、ペルソナ3のサントラは「今までのゲーム音楽らしくない」からとても売れた。

 「ゲーム音楽らしくない」というのは悪意があって書いたわけじゃない。ペルソナの音楽がボーカル曲入りの戦闘曲やハウスミュージックに近いアプローチをした、というのがいいのだ。みんなやっていなかったことをして成功した。

 ゲーム音楽って制約がある。あくまで音楽は添え物だ。キャラは喋るし効果音だってなるし、画面だって場面だっていちいち切り替わるから、一回のループが1,2分が適切だとか、その場で山場があった方がいいとか。

 でもそんな緩やかなお約束を気にしながらも、製作者が自由にやっている感があるというのが、すごいなあと思うんだ。

 

 すばらしきこのせかい というDSで発売されたゲームがある。渋谷を舞台にした死のバトルに巻き込まれる主人公。その「渋谷」の中では、実在の店やありそうなブランド店で買い物ができる。渋谷は好きな街なのでプレイしていてとても楽しかったし、音楽の楽曲が豊かで聞いていてとても楽しかった。様々なジャンルの、ゲームに、そして渋谷という街に合った曲。

 

 すばらしきこのせかい + The World Ends with You ~ Twister -Original ver- ~ OST

 この曲、好きで戦闘シーンで初めてDSから流れた時、どきどきした。曲もそうだけど、製作者の攻めた姿勢がとてもかっこいいと思った。当時はこういう曲がゲームで流れるのは珍しかった。

 

 ゲーム音楽で一番好きなのは、というのは迷う問いなのだが、一番聞いているのは多分「ロックマン全曲集」という、ファミコンロックマン1~6の曲が入ったCDだ。ほんと、ファミコンロックマン(特に1、2,3)の曲が好き。

 なんだけど、聞いているとちょっと疲れるというか、まともな文章を書こうって時には聞く気にはなれない。俺は神経質集中力がないから無音も騒音も苦手だ。だから何か頭を使う時はクラシック、特にバッハを流してるんだけど、バッハ聞きすぎてしまって別のも聞きたいなって思ってくる。

 そんな時ふと、サガフロンティア2のサントラは平気かもな、つーか何か頭使いたくて、その時選曲に困ったら流してるなーと思った。一番聞いてるのはロックマン、ではなくサガフロンティア2のサントラなのかもしれない、と思い直した。

 自分が思う一番素晴らしいゲームサントラは? という面倒な質問があったとしたら、サガフロンティア2のサントラ、と俺は答えるだろう

 サガフロンティア2のサントラは、いくら聞いても飽きないのだ。これってすごいことだと思う。

 音楽制作したことない人間なので書き方に不備があるかもしれないが、このサントラの曲は、幾つかの同じメロディーをアレンジ、変奏して使用していて、クラシック音楽の手法で作られている。だから全体に統一感がある。いつまでも、繰り返しきけるのだ。

 俺はポップミュージックが好きだ。使い捨ての、ジャンクフードのような曲だって好きだ。だから好きなアーティストのアルバムだって捨て曲が沢山あるのが普通、なんて思ってしまいがちなのだが、本当に好きなCDやアーティストのそれには捨て曲なんて存在しないのだ。文句ばかりつける性格のよろしくない俺だけど、切りどころが分からない。だって切りたくないんだ、全部欲しいんだ。その人が作った世界を丸ごと保存しておきたいんだ。

 俺にとって捨て曲がないアルバムってのはかなりの賛辞だ。本当にすごいなあって感動してるんだ(とはいえ、その中に一曲でも良曲があれば十分すごいと思ってるけど)。

 https://www.youtube.com/watch?v=3NydEEpnDe8&t=635s

サガフロンティア2 BGM集 SaGa Frontier 2 OST

 

 この大好きなアルバムのピアノバージョンがあることは知っていた。それなのにまたいつもの「欲しいものがあり過ぎて困っていて、どうせ後で買うから……」という言い訳で、俺はずっと聞かないでいた。

 でもふと、どうせ後での「後で」っていつだ? と感じてしまった。色々な返済。精神的な金銭的な肉体的なそれは待ってはくれない。

 

 ネットで注文しようかと思ったが、新宿の駿河屋にあったから仕事帰りに寄った。棚に並ぶCDを「あ」「A」から見るのって、やっぱ好きだ。

 俺はろくに働いていないくせに買い物が大好きなので、いろんなものを買っては売った。大切な物、大切だったものも二束三文で売り払ったり捨てたり。CDはかなり買わなくなった。でも、データだけではなく好きな物を手にするってやっぱり幸福なことだ。俺はCDジャケットとかライナーノーツとか含めてそのアルバムが好きだ。

 

 その買ったアルバムは思った通りお気に入りになって、何度も繰り返して聞いている。ピアノが主体なので、こちらの方がより制作時の音楽には向いているかもしれない。

 

 俺は無音と騒音が苦手で、音がしないと眠れなくなってしまった。八時間近く眠らないと頭が働かないので、眠って身体を休めたいのに、同時に眠るのが怖い。様々なことをやっていないのに、明日からそれをしなければならないから。

 ここ何年か、動画サイトで何十回も見た、流しっぱなしにしている、ゲーム実況者の雑談とかプレイ動画を流して寝ている。これがなくっちゃ眠りに支障が出るくらいだ。

 静かに、見知った声がするというのはとてもいいことだ。

 俺はゲームが好きだけれど、本気で自分で作ろうと思ったことはない。スキルや機材がないから。

 でも、やりたいことを見つめているだけでは、どんどん遠ざかっていくのは分かる。

 最近話題の? ブイチューバー? とかいうのをきちんと見たことがないのだけれど、ああいう存在があるというのは、なんだか近未来感があって好きだ。俺の子供の頃にはありえない、まるでゲームのSFの世界だ。

 見ていたゲーム配信者が、フェイスリグという、自分の顔と上半身の画像を認識させて、お手軽ブイチューバーソフト、みたいなのを使っていたことがあった。

 その配信を見ていて、あー近未来だなーって思った。すぐにやめたけれど、ネットのオンラインゲームで、アバターを作って他の人とプレイしている時もあー近未来だなーって思った。

 ゲーム大好き人間なので自分の好みのアバターは何度も作って、何度もキャラクターに名前をつけたけれど、近未来感を見出したのは多分、誰かとのコミュニケーションという要素からだった。

 作り物の俺が、他の作り物のだれかと交流するというのはなんだか不思議なことだ。俺はネットで知り合った人と気軽に会う(お互い望めば)のだが、それとは違う不思議な感覚。それはきっときっと実際には知り合わない匿名性の高い存在と、何かを通じて交流するという行為からかもしれない。

 ふと、今流行りの? そういうソフトや機能でロボット、アンドロイド好きの俺の小さな夢がかなうのかもしれないと気づいた。そう、俺はロボットが欲しいんだ。でも、これって虎が欲しい、くらいの実際には無理でも考えるだけでも楽しい空想であって、実現について考えたりはあまりしなかった(実現するには何が必要かという妄想は楽しいが)。

 俺は詩を作ろうと思ったことがほぼないせいか、詩集が好きだけれど、あまり頭に入ってはいないのだと感じる時がある。だから、世界の詩集をロボツトに誰かに読み上げて欲しいと思った。

 音声読み上げソフト、は沢山あると思う。それでもいいが、長時間聞くときは、やはり自分の好みの声質とかの人がいい。声優とか俳優とかの能力は求めていないというか、むしろ朗読技術はあまりいらない。なんでかって?

寝る時にながしっぱにしたいのだ。機械が我が子を寝かしあやすように、世界の童話や神話や詩集を読むというサービス放送動画が欲しい(似たようなのはあるだろうけれど)。

 で、こういう我儘なのに応えるのって、これって自分で作るのが一番早いんじゃないか? と気づいてしまった。自分で好きな本を読んで、それを録音してアーカイブにあげて自分で楽しむ。できたら何かの映像を加える。

 今までの俺ならやらないと思うのだが、実用性(自分にとっての)があるのだからやった方が多分よい眠りの時間になるだろうという思いが浮かぶ。

 あと、俺、数年前ちょい引きこもってた時に、或る日 あ、ヤバイと気づいて、駅前のスペースで一日一回ラジオ体操と詩の音読をしたんだよね。詩はボリス・ヴィアンの『ぼくはくたばりたくない』

 身体を動かすって、言葉を口に出すってとてもいいことだと思うんだ。引きこもってると体力とか感覚とか全てが衰えるし、どうでもよくなる。だからリハビリの為に口にするんだ『ぼくはくたばりたくない』

 基本的に一人で家にいるだけの人間なので、安眠用動画(音声)を作る一環として、発声の機会も作れるのは一石二鳥のような気がする。

 詩集、童話、読まなきゃな。ああ、読まなきゃならない本がまたたまる……でも、もう少し気持ちに余裕ができたら、配信?朗読? みたいなのについてちゃんと考えたい。できたらロボット、アバターつきで。

 毎日アンドロイドにアバターに眠りに誘って欲しいんだ。