クリスタルって知ってる?

髪をまとめて、スーツを着ると安っぽいコスプレをしている気分になって、ほんの少しだけ調子にのって写真をとってみたりして。

 俺は長髪が好きなので、男の長髪だけ異様に差別されたり、ファッションに興味ない人に(おしゃれが好きな人は人のファッションに余計なアドバイスはしない)色々言われたり。


http://www.youtube.com/watch?v=sCiqPxRjbj4

くるり - 青い空



 高校時代にくるりの「青い空」という曲が好きで、歌詞も好きだった。

 



 伸ばした髪は僕の眼や耳をふさいでる 
 
 こんなことは言いたくないのさ

 こんなことは言いたくないのさ 

 何かが違うと考える頭が真っ白に



 出来の良いロボットのまねっこ、をするのも悪くないだなんて、勤労意欲のない俺も、たまにはスーツで普通のしっかりした方々の真似事を。

 新宿の西口は何度行っても慣れないし、その代わりふとした時に発見がある。今回は結構キレイで大きなお寺を見つけて、七夕の短冊が用意されていて、俺もおねがい事を書いて笹に結んだ。お願いごとを書くなんて、何時ぶりだろう?



 小さい頃から、一番欲しい物は絶対にてにはいらないのだと確信していた。一番欲しい物はたくさんあって、でもどれもこれも「人間」の俺には手に入らないのだと。でも、友達の家でゲームをしている時間は、自分も大冒険をしている気分に慣れた。


 ファミコンファイナルファンタジー3 いたずら小僧達が洞窟探検の中でクリスタルに触れ、使命を知ることになる。あの時のチープで華やかな音もゲームの画像もありありと思い出すことができる。今聞き返しても鳥肌が立つ。クリスタルの戦士になって、僕ら、旅に出るんだって、

http://www.youtube.com/watch?v=dkECLX0kehU

FF III OP
 


 ファミコン版のFFがPSPでリメイクされた時、CMでPSPをプレイする子供を見ながら、お父さんが子供に「お父さんも昔はクリスタルの戦士だったんだ」というつぶやくシーンがあったと思うのだが、それはとても印象的だ。父と息子でつながる物語、みたいないい話でもあるけれど、でも、俺は今もクリスタルの戦士「みたいな」生活がいいなって、そうおもっていて。



 とにかく新しい曲を聞いていないと気がすまない俺は、itunesの曲数も18000曲を越え、でも体力がないときはついアイドルソングとかハウスとかわかりやすいキラキラしたのばかり聞いていて、でもその割に俺はアイドルの名前も顔もほとんど知らない(のに曲は沢山入っている)という薄情ぶり。


 でもその中でも、最近友人の勧めもあり聞いてみたでんぱ組.incにかなりはまって、メンバーのブログまでチェックするようになった。今までファンクラブはおろか、アイドルのファン(好きな人はとても多いくせに!)になった経験なんてないのに、30になって、今、俺、アイドルの、でんぱ組のファンかもと思い始めている。だって、ライブに行きたい!なんて思ったアイドルはでんぱ組が初めてなのだ。俺もあの空間に行きたいだなんて、音源さえあればオッケーな俺にしてはかなりの熱の入れようなのだ。

 元々アイドルというのは一過性のもので、交換可能であるのも魅力の一つだと完全に割りきった見方をしている俺にとって(しかしそれを全うする彼/彼女らには敬意を覚えるのだが)でんぱ組は今までのアイドルとは少し違っていた。メンバーのそれぞれがそれぞれの挫折や過去があり、「マイナスからのスタートなめんな」というコピーが印象的だった。

 でも、それだけでは勿論なくて、明るい曲からいかにもアイドルソングからでんぱ組にしか歌えない(!)ようなお祭りソングまで、プロデューサーがばつぐんに良くて、彼女たちの良さを本当に引き出していると思う。


 個人的には「金髪の異端児」最上もが と「永遠の魔法少女未満」夢眠ねむ がかなり胸にきた。もがはひきこもりネトゲ廃人から、フェミニンでドールのような愛らしさでモデルとしても活躍している。彼女は自分を僕といい、いつだって繊細で本気で、度々アイドルとしてはちょい過激なことも口にするが、とても真面目で嘘をつかない、つきたくないんだというのが伝わってくるから、すこしはらはらしながらも、パワーを貰える。

 ねむは元々美術をしていて、親が喜んでくれるのが嬉しくて、絵が好きで楽しくて活動していたのだが、大学等で自分の作品が「美術ではない」と言われた時、自分の中で
作れなくなってしまった。そんな時後にメンバーの一人になるえいたそが働くメイド喫茶にたまたま行って、そこで自分も働くようになり、少しずつ彼女たちがグループになっていく。


 個人的にねむともがのインタヴュー記事を読んでとても感動してしまったのが、

 ねむが一度夢を諦めた後で「夢眠ねむ」として、そしてでんぱの仲間たちと、もう一度歩いていけると意志を抱く箇所や、もがちゃんのねむからの「もがちゃんはいいところが沢山あるのに、それが今のままでは伝わらないのがとても悔しい」と泣いて訴えて、もがちゃんの心に刺さる箇所とか、マジでぐっときました… こういうのって、普通のアイドルのインタヴューではでないと思う。ふたりとも(他のメンバーだってそうだと思うけれど)痛いくらい真面目なんだって、気づくから。



 かわいいは作れる! とかいうコピーは嘘ではないと思う。でも、それを作って、維持するのは本当に大変なことなのだ。俺自身ゲームとか美術グランジとかそういうのに惹かれるけれど、それを人間、「アイドル」として全うするのって本当に難しいことだと思う。ゴスロリ系笑とか夜想、TH系の雑誌とかそういうカルチャー好きな人は天使とかヴァンパイアになりたいとかいうノリの人がちららいるけれど、「本気」でそれを目指す、自分に厳しくできる人って厳しくしながらも輝いて楽しく生きるってとても困難な道だと思う。(もちろんそれをする必要なんてないのだけれど)


だから、ねむちゃん達が夢を魔法を失って、そこからはいあがって、自分自身に魔法をかけて輝く姿に感動する。俺の好きな人達はどこかシャーマンに似ているように思う。自分の身体に他人の他社の動物の、異形の者の意志を意識を受けて、それでもなお自分自身として何かを表現したり作品を作ったりする。


 最近やっと虫歯の治療が終わり、何年も歯医者に行かないダメ人間の俺は三万近くも治療費にかけてしまった!!! それ以外にも色々とガタがきているなと感じることはしばしばある。でも、カッコつける機会は、やっぱり多い方がいいし、作りたいものがあるのなら、素直になったほうがいい。自分の人生に魔法をかけるのは自分自身だから。 

 俺がクリスタルの戦士でなくても、でも、クリスタルの輝きのことは、少しは知ってるから。

 http://www.dailymotion.com/video/x1uhvj1_%E5%A4%A2%E7%9C%A0%E3%81%AD%E3%82%80-%E3%81%82%E3%81%AE%E3%81%AD-%E5%AE%9F%E3%81%AF%E3%82%8F%E3%81%9F%E3%81%97-%E5%A4%A2%E7%9C%A0%E3%81%AD%E3%82%80%E3%81%AA%E3%82%93%E3%81%A0-140105-zepp-divercity-tokyo_music

夢眠ねむ『あのね…実はわたし、夢眠ねむなんだ




   超キュートなねむのソロ曲。元気出る。こんな小さな魔法の力の積み重ねで、きっと俺も生きていけるのかな。