飴細工の馬車に乗って

どんどん状況は悪化している。とても気が滅入る。それは俺だけではないけれど。みんな不満がたまっているのを感じる。ささいなことで、ストレスがたまることがしばしば。理不尽さに耐えられる気持ちの余裕がない。

 外に出て仕事を探したり遊んだりできない日々が続くのが、終わりが見えないのが辛い。

 元々メンタルが弱い上、就業が難しく、外出で気晴らしもできない。症状が悪化したり、なんとか気分を良くしようと、読書や映画に視線を向けたり。でも、やっぱりふらふら外を歩きたいな。別に買い物なんてしなくてもいい。音楽を聞きながら街を歩くのが、俺は大好きなんだ。

 いつものどうでもいい雑記を。

家でバッハばっか聞いてないで、外歩いて、イヤホンでbaker brothers の cance and fly 聞いたら、ソウルフルな声と演奏で元気貰える。単純な俺。次はアルファベット順でBauhaus のsanity assassin流れる。こっちもパワー出るけど、方向性逆だな笑

メガテンソシャゲ、惰性で続けていて、俺にとって、何が足りないのか考えてみた。それはメンバー同士で思想の違いからの殺し合いしてないからだ! メガテン必須イベントじゃんかー仲良かった仲間との殺し合い。超燃えるのに。でも、ソシャゲでその展開は無理だよな。悲しい。女神転生5早く出てくれ!

リルケの詩集を読み返していて、ロマンチックメランコリックな一群の輝きは、今の俺の気分に合っていて気が休まる。引用したいけど、文字数オーバーになるからな。

去年、日本橋高島屋で行われていた展示をまとめた本『資生堂のスタイル展』の本を読む。化粧品には無縁の男だが、花椿の冊子や山口小夜子を起用したポスターや山名文夫のデザインはエレガントで好きだ。会場では一部撮影可能だった
硝子瓶の化粧品って、すごくかわいいな。

エルヴェ・ギベール『犬たち』再読。エロティックと言うよりも、ポルノ小説で、説明不足だったり過剰だったり。でも、わりとこの小説が好きだ。犬、かしづく者、服従する者の姿がシステマティックに描かれていて、そのイマージュの中で読者である俺も子犬のワルツのように楽しむのだ。

フェデリコ・ゼーリ『わたしの好きなクリスマスの絵』読む。聖夜にひらく小さな宝石箱 という文書が寄せられていて、可愛らしい。
美術史家が知識と信仰の眼差しで、暖かく絵画を紹介している。幸福な絵画たち。50ページと少しの、素敵な小品。

トリュフォーの『大人は判ってくれない・あこがれ』を見る。高校の時に見てから、トリュフォーの中でも一番好きな映画。とても好きな映画について語るのは難しい。様々なものが好きで、しかしどこか冷静なのだ。自分の一部分に、呼応しているんだ。『あこがれ』は、甘酸っぱくて、身勝手で、輝かしい

アポリネールの『若きドン・ジュアンの手柄ばなし』読む。題名通りの、エロティックな小説。若い、貞操観念が無い少年が性を知り、好奇心と欲望のままに貪っていく様を描く。性交描写の頻出があっても、そこまで退屈しないのは、主人公の獣のような爽やかさと、詩人の筆致によるものだろうか。

『もしも?の図鑑 ドラゴンの飼い方』を読む。ドラゴンだけではなく、世界中の有名な幻獣、妖怪、モンスター等が紹介されている。幻想の生き物を実際に飼うとしたら何に注意したらいいだろう。それに対して具体例や豊富な図版で案内してくれる。想像力を刺激される楽しい一冊。

めちゃめちゃ懐かしくって、『ちびくろさんぼ』も注文してた。コミカルでちょっぴりスリリングで、大好きだった。つーか、虎かわいい。あと、虎がクルクル回ってバターになるって発想!すごいな!俺も見習いたい。とりあえず、虎かエシレのバター欲しいが、今世では無理かなー(来世などない)

デレク・ジャーマン監督『カラヴァッジオ』をまた見る。皆大好き、官能暴力男色悪徳たくさん。それとは対照的な、夜空を見る幼子に老婆が
「星は貧しい者のダイヤだよ」
と告げたり、病床のカラヴァッジオを献身的に介護する青年も美しい。絵画を意識したおさまりの良い構図も好き。大好きな映画

掃除したてたら、マイリトルポニーのレインボーダッシュ発見。アニメ見たことないし全然知らないのに可愛いから買った。

以前、ユニコーンやペガサス系を求めて中野ブロードウェイへ行くと、妙にリアルなサイケデリック馬が沢山いた。リアル系極彩色馬。アメリカのかわいい……わかるようなわからないような……カワイイの感覚は国によって違うからなー

最近少しだけ痩せた気がする。大学生の頃、身長190近くでガリガリで陰気な俺は、知らない人にエヴァンゲリオンとかナウシカ巨神兵とか影で言われていた。腑に落ちない。でも今はやっぱりエヴァになりたい!ゲンドウに褒められたい!そして、タイトなジーンズに闘うバディをねじ込みたい。

溝口健二原作『大阪物語』見る。極貧で夜逃げをした一家が、後に大阪で財を成すが……若い市川雷蔵かわいい。中村鴈治郎の浅ましい俗物守銭奴の演技が良い。ただ、監督は別なので、溝口映画だと思ってみると、緊張感に欠ける構図や間延びを感じる。その分、分かりやすく、悪い映画ではないのだけれど。

安物の天使を割った。だが、この姿もまた、良いものだ。人は、俺は、しばしば好きなモノの欠点や欠損を愛するから。

カミュの『異邦人』のムルソーの台詞

もちろん、私は深くママンを愛していたが、しかし、それは何も意味していない。健康な人は誰でも、多少とも、愛する人の死を期待するものだ。

 

 一応、おれなりに前向きにしようとしているのだけれど、毎日のニュースやら自分の置かれた状況、それを改善できないのがとても辛い。楽しむよりも、耐えることばかりみたいに感じてしまう。

 だが、状況がどうなるにせよ、生命があるうちは、それが豊かであればいいなと思う。マイナス思考や気が滅入るのもうんざりするのも仕方がない。でも、その後で、どうにか這い上がらなければと思う。

 俺は色々とよろしくない。でも、きらきらしたもの、沢山知っているのだ。嫌なことに意識を向けるのは悪い癖。飴細工のような、脆い夢の世界に逃げ出せるように、努力を。