テクノばっか聞いてると早死にしますよ

itunesに入れた曲がもうすぐ12000曲になる。でもレンタルばかりが増えて、CDを買う機会が激減してしまった。月に数枚、買わない月だってある。単に金が無いからというのも原因ではあるが、オンラインレンタルを使えばかなり幅広い曲を借りられるようになったので、わざわざジャケとか少ない情報から買わなくても良くなった。

 俺は音質の悪いコンポしかもっていないので、どうせitunesに入れたらパソコンはつけっぱなしだし、CDそのものを再生する機会はほとんど無くなってしまう。歌詞が気になるアーティストもネットで閲覧できるし、ライナーノーツが気になっても、詳細な情報は検索すれば容易に探し出せる。

 でも、CDのあの形状や、歌詞カード、デザインも含めて愛着があり、そして目にして手にして、感情や記憶を連れてきてくれる。大金持ち(ねんしゅうにひゃくまんえん位)になったらまたガンガン買っていきたいところ。

 二十代前半はなんだかんだでロックやワールドミュージックを中心に聴いてきたように思うが、二十代半ば位からは積極的にテクノを聴くようになっていた。ヴォーカルありもインストも同じように好きになってきたということかもしれない。

 ゲームが好きなのでゲームミュージックでレンタルや比較的安価で購入できる物は購入してきたのだが、ビッグタイトル以外はかなり市場が狭いうえ、わざわざゲームのサントラを購入するような人はそれだけ愛着があり手放さない。ということで、中古でゲームのサントラを購入しようとすると驚くような値段のオンパレード。

 俺はプレミア物とかたいして持っていないし、あってもどんどん金に換えてきたのだが、一番高いので店頭価格8000円前後のサントラを持っている、が、ちょっといいな、と思ったサントラが12万ってえ、そりゃあねえだろって気分になる。

 まあその例はちょっと大げさだけれど、年代でいくとスーファミプレステ世代辺りのサントラでも五、六千円なんてよくあるし、ちょっと人気の物なら簡単に数万の値段がついてしまう(大人気の物はそれだけサントラも出回っているので、比較的安価で買える)。これはオタク相手のぼったくりとしか思えないので気分が悪い。

 それにぶっちゃけて言うと、プレイした人の思い出補正が強く影響していて、音楽として考えると数万の価値はないだろう。でも、欲しくなっちまうんだよね。プレイしたんだもん。ガッデム。意外と古いのは図書館にあったりするんだけどね。

 でも最近はレトロゲームブームなのか哀しいカバーソングブームの一環なのか(それだけ新しい人のCDの売り上げが冷え込んでいるということなんだろうけど)昔のゲームミュージックがアレンジされたり再発されたりすることがちょくちょくある。

 個人的には原曲そのままでいいのにと思うことが多々あって、余計なアレンジとかオケ仕様とかにして大抵残念な感じになってしまう。成功例より多数ある失敗例の方が多すぎて、しかもそれが精いっぱいの貧乏御馳走みたいな感じで聞いていると切なさ炸裂状態になってしまう。

 あの長く聞いていられない、耳に刺さる電子音のループがいいのに。

 でも最近借りた、なぜか今になって(2010発売)ジャレコの曲をリミックスした Rom Cassette Disc In JALECO Remix  というCDがかなり良かった。普通サントラの類だと好きな曲が少しあって、後は微妙か全体的にそこそこ、と言う場合が多いのに、このアルバムはリミックスなのに、かなり通して聴けた。MOTHERは鈴木慶一本人が関わっているから除外するとして、ゲームのリミックスでこんなにクオリティが高いと思ったのは、『すばらしきこのせかい』の海外(欧米)向け以来かも。

 このCDはバンドサウンドとクラブサウンドアレンジが半々で入っており、調べるとクラブサウンドはどっかのDJが担当してるらしく(今調べたがよくわかんなかった)ちゃんと聞ける(失礼!)というか、ちょい田中フミヤアンダーワールドの柔らかめ、なちょいレトロで安定感ある的な風味とファミコンのミュージックがうまーくちょいユルな感じでマッチしていると思う。

 いや、これね、派手さはそこまでだけど、かなり丁寧なつくりで繰り返し聴けるんだよね。そういうのがゲームミュージックのリミックスで出てきたのでいやあ、すごいなあ、嬉しいなあと思った。

 一番はじゃじゃ丸くんの「忍びの道は険しいでござる」がお気に入りかな。そしてバンドアレンジでボーカルの入った、と大変冒険しているシティコネクションの 「25 Color Twilight」もかなりいい。女の子のキュートなボーカルもちょい歌謡曲テイストの歌詞もはまって、大胆なアレンジなのに原曲のポップさに引けをとらない仕上がりで、これを発売しているクラリスディスクは今後要チェックだ。単なる懐古主義金儲けではないいい会社ですね。俺が大金持ちになっ(以下略)

 俺は音楽が好きな割に楽譜も満足に読めないのでクラシックは敬遠していた。というか、色々と聴いてみても、バッハだけが突出して好きで、他のはそこまではまるというわけでもなく、気にいったグールドやカサルズばかり聞いていた。


 それに音楽的な教養が無いので、曲名が覚えられない、音楽用語が分からないのでいまいち乗れないというか、聴いている途中でつまびらかになっているはずの基本的構造が気になってしまう。俺は気に入った曲は色々と知りたいので、覚えるのがめんどくせ、と思ってあまりクラシックは聴いていなかった。

 クラシックは難しいというのは思い込みだとクラシックの奏者が口にしていて、俺もそうだなあ、だって他のジャンルだって大して知らない癖に聴いてるもんなあ、と思う癖に、やっぱね、気になるんですよ。


 でも最近知ったヴァレリー・アファナシエフのピアノがすごく良かった。大してクラシックを聴いているわけでも詳しいわけでもないが、この人のショパンマズルカがかなりすごくて、ショパンってこんなにゆったりとした大人の上品さを持っていたのだと思い知らされた。俺の中でショパンってユーロビートなんだよね(俺はユーロビート、こっぱずかしくて好きです)。

 モンクも好きだし、俺は割と癖のあるピアニストに惹かれるのかもしれない。というかクラシックもジャズもピアニスト、ピアノばかり気になってしまう。いいなあ、ピアノ。弾けないけど。弾ける人はとてもカッコイイと思う。
 彼の他のも良かったけど、今の所マズルカが一番好き。

 こうやって他のも好きになっていければいいなと思う。