ゲームと君の死骸は電子

 またシャボン、もうこりゃあ「水玉病」だよアーバンギャルド、ってなことで恵比寿ガーデンプレイスでガーガー吹く。やっぱり広々とした場所でシャボン玉を吹くのは気分がいいし、こういう、都会に無理やり自然の樹木とかぶっこみましたみたいな、上品ぶった下世話な感じが、サイバーパンク的な感じで好きだ。

 シャボンに飽きたら、恵比寿の雑貨屋でセールだったからちょっとだけ大きな水鉄砲を買ってしまった。はっきりいって、まずいのだ、うんざりするもやし納豆豆腐卵鶏胸肉(100g38円)ローテーション生活をしてもなお、って、まあ、忘れよう、銃だぜバキューン、

 てなことで恵比寿のタコ公園で水を補充して撃つ、しょぼ!
 
 いやね、おれももうすぐ29歳になるわけで、分かるわけ、二千円くらいするのならともかく、セール品なんて「ぴゅー」レベルのだって。でもさ、期待しちゃうじゃんか。

 ぶらんこにのってぴゅーぴゅーしていて、もしかして俺阿呆じゃねえのか、と思わないでもなかったが、空に向かって噴射すると案外綺麗で、これもシャボンと同じだと思った。光のきらめきを受けると、なんだって、少しだけ、きらきらして見えるんだ。

 なのだが、水を押し出すトリガー(笑)を押すのが結構力が必要で、すぐに疲れた。飽きた。シャボン出してそれを水で割るってのはいいなあーって、それ、ガチでしょうがくせいのはっそう、

 なわけで、紙ねんどを十数年ぶりに買って、ティガーを作った。はっきり言って素人の粘土細工なんて、とか思ってるわけだが、たのしいわけで、あーもう、上手く出来たらティガーだらけにしよう。あまったねんどでマリオのスターも作った(難しいのを作れるスキルが皆無なので)。スターも大好き、虎も、

 なんて現実逃避ほのぼの日記なんて書いてられるかクソ野郎、てな話で、さいきんやった残虐描写のあるゲームの話など。

 ceroの規定ではA(全年齢)B(12歳以上)C(十五歳以上)D(十七歳以上)Z(十八歳以上)という区分がある。

 最近そういう描写があって面白かったのはダンガンロンパ(D)旋律のストラサス(C)ヴァルキリープロファイル咎を背負う者(B)だ。

 ダンガンロンパは超高校生級の子どもたちが閉鎖空間で殺し合いをする羽目になり、仲間同士で殺しあう状況に陥ってしまうなかで犯人を捜しながら、黒幕をあばき、ここからの脱出をはかる、というようなゲーム内容だ。

 はっきりいって推理は馬鹿でも分かるような感じと、設定がぶっ飛び過ぎていてどうなんだ(だから超高校生級、超人ばかりが集まった高校なのだけれど)とか、その超人のくせに設定が生かされていない(超高校生級に強いはずのキャラがあっさり殺されたりする)とか矛盾とかつっこみどころも多い。

 それでもスタイリッシュなインターフェースや有名声優の熱演(詳しくないですけど)や怒涛の展開で、ちょこちょこ問題がある佳作未満凡げー以上っぽい作品を見事な良作に仕上げている。ちょっとストーリーが短いのが難点だが、それでも十分楽しめたし、「新しいゲーム」をプレイしている気分になれた。

 なお、CERO[D]がついた原因である、殺人がばれた人物への「おしおき」シーンは
けっこうグロかった。普通の人間の拷問画像ではなく、デフォルメされたアニメキャラ(またこのキャラの造形が萌え的でも少年漫画的でもなく、ちょいマイナー誌のキャラみたいで、効果をあげていると思う)の様々なバリエーションの「おしおき」(殺害)は結構見ごたえがあった。

 旋律のストラサスは、最近発売されたにもかかわらず投げ売りされていて、それで買ったのだが、ストーリーはエヴァゼーガペイン(これは俺しらないけど)ということで、なんか分からない化け物が襲ってきて、都市は膨大な被害を受けており、身体の一部が汚染された主人公が無理やりロボに乗って戦う、

 みたいなストーリーで、結構わくわくして、しかも頻繁にアニメが挿入されるし声優が超豪華、ということでまあ、そういう種類のゲームなんだろうと思っていたら、序盤で本部が壊滅状態になり、一緒に戦っていた仲間が全員殺される(ご丁寧にもアニメ付きだ)にはわくわくした、

 のだがもうそれがわくわくのピークで、2Dアクションぽいのに3Dみたいに奥行きがあるのにカメラ固定、だから攻撃がやたら当たらないし、戦闘もボタン連打で単調だし、その上画面で自分がどこにいるのか分からないのに、落ちると一発で死ぬ落とし穴が多数ありまくる。

 そんな操作性が激悪のアクションパートは、まあ、いい(いいのか?)。ファミコンのゲームをしているんだなあと思えば耐えられる。でも、これ全九章なんすよね。

 襲ってくる怪物、止まらない仲間の死、もうひとつの世界に隠された真実、ってこんなのどう考えても九話でおさめられるわけがなく、(一章がアニメの一話的構成になっている)主人公もヒロインも、明らかに説明不足でちっとも魅力的ではなかった。そういう設定の人が「それっぽいこと」をしゃべっているみたいな感じで、しかも後半の怒涛の超展開ではもう、俺だけ現実世界に引き戻されちまいました。
 
 でもこのゲームはダンガンロンパとは逆で、問題点はあるが色々面白そうな所があるのに、駄目駄目になってしまった感じのゲームだと思った。はっきりいって俺はこのゲームが割と好きだし、全九章の中でも、一応脚本はきちんとしていた、ように思えた。でも、ゲームとして面白いというよりも、苦痛とかがっかりが先行してしまう。二週目のおまけも充実しているし、ギリギリのところでサービスもしているのだけれど、この投げ売り状況をみると、俺を含めて多くのユーザーにそれは届かなかったようだ。

 ヴァルキリープロファイルシリーズは初プレイで、このDS晩の咎を背負う者は、死にかけの(?)勇士を天界の戦争に連れていくヴァルキリーに父を奪われ、結果家庭が崩壊し、ヴァルキリーを憎む少年が主人公だ。

 彼は悪魔の誘いに乗ってしまい、ヴァルキリーが残した羽の力で、絆を結んだ味方を生贄にささげることで、ヴァルキリーを倒す闇の力を得る。その力を勝手に使われた仲間は能力がなんと十倍になる代わりに、その戦闘後は確実に死亡してしまう。

 ゲーマーとしては一人の犠牲も出さずにいきたいところだが、初プレイではかなり難易度が高いようになっていて、初プレイで羽無し(仲間を犠牲にしない)プレイはかなり困難というか、やりこみ派以外無理な感じで、俺も使う羽目になってしまった。

 というか、そういう咎を背負わなければならないゲームなので、この高難易度は正しい。しかもカルマをためる為に、死亡状態にした敵にオーバーキル(死亡時の体力よりもさらに追撃を食らわせ続ける)を狙わなければならないのもシステム的に合致していて素晴らしいと思う。クリア後のオーバーキル値によるご褒美もおしおきもあるし、高難易度ながら戦略を練るのが楽しい、

 のは序盤までで、中盤頃からやけに戦闘が単調というか簡単になってしまって、ひたすら敵を仲間で囲んで虐殺を続けるのは、スピード感がないし、戦略性もないし、ちょっと残念だった。

 でもルートによって仲間になるキャラは魅力的な人物が多くて、羽の使用回数によりルートが分岐するのだが、クリアした後で、前回頼りにしていたキャラが敵になって殺したり、事情があり双子を手放してしまった戦士の女性が、殺人鬼に成長した無邪気な双子に殺されるシーンとか、エグイ設定満載で面白かった。

 のだが、キャラが多いせいで、章ごとに見せ場があって、後は絡みなしでただのコマになるのは残念だった。(毎章キャラ同士の掛け合いをすると、メッセージ量が膨大になってしまうだろうからしょうがないと思うけど)。

 それにやや複雑などこの国のどの貴族が仲が悪くって、みたいな初見で頭に入るわけがない設定を、酒場のメッセージで読まされるのも残念だった。こういうのってストーリーをしながら少しずつガイド役とバカ役とかの会話で頭に入ってくるのがいいよね。

 設定ではヴァルキリーが一番グロいように思えたがCEROの規定はBだった。一番ポップなダンガンロンパはD。規定がどうなっているのかは分からないというか、ある人が

 これは「血ではなくハーブです」とか「エルフなので12歳の少女じゃなくて1012歳です」とか「テキストの「牛の肛門」ってので検閲入ったんだけど、この人牛の肛門に欲情したの?」とか、もう審査だって、人がするものだから、あいまいで、ザルなのは分かる。それにZである18以外は、年齢確認は必要ないはずだ。好きにやって、いいのにね。

 でも、売る為にはなるべくレーティングを抑える必要があるはずで、でも、俺としては、やっぱ好き勝手にしてほしいなと思う。俺はZ18歳以上のゲームはしたことがない。それはそのジャンルが洋げー(俺はアクションが下手なので)とギャルゲーだからだ。そういうの以外でもZの、自由にやってる感じのやってみたいなと思う。

 残酷さは目に見えるものだけを糾弾すればいいなんて、バカな話だ。俺はきっと、残酷さのおかげで生きていられるような気がする。あの、あまりにも美しい『裁かるるジャンヌ』或いはそれを見て涙を流すカリーナ。俺は自分自身に対してどこまで残酷になれるだろうか?