チョコレート・ロックンロール・モーニング

夜に眠らねばならないあの数時間とか、朝起きてからまどろんだまだ惰性で続ける時間とか、そういうのは好みではないのだけれど、それなりにこなしているんだから、すっかりこの身体になじんでいるような気がしないでもない。

 もやし、豆腐、鶏肉、納豆、とかばかり食べていたら、そこそこ調子がいいような気がしないでもないけれど、でもそんな生活を続けているとやっぱり油ものが口にしたくなって困る。胃腸があまり強くないので、がっつり食べると翌日に必ず来るので、ヘルシーな食事をするのが一番だとは思う。

 でも、某お菓子問屋でリンツのチョコレートが投げ売りされていたから思わず買いこんでしまった。

 それなりの値段がするチョコレートは気軽には食べられないけれど、リンツは大きなスーパーとかでも売られている。板チョコ一枚400円もするけど、でもデパートとか直営店で買うチョコレートよりはずっと安い。

 それに板チョコってのがいい。片手で持って、気軽に、ひたすら口にすることが出来る。チョコレートを口にすると何だか幸せな気分になる。100円の板チョコでも十分だし、大好きだが、リンツのチョコは濃すぎないフレーバーの上にしっかりとしたコクもあって、幾らでも食べられるような気がしてしまう。
 
 口の中も頭の中もチョコレート気分。

 久しぶりにヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコのファーストアルバムを聴く。最初のトラック、sunday morningの演奏が耳に入ると、こんなに幸福でいいのだろうかって、錯覚してしまう。あまりにも幸福な、けだるいロックンロール。

 このアルバムは高校の時に聴きまくっていたから、今更聴き返すことも少なくなっていた、けれど同じく高校の時に良く聞いていたプレイグスの「ワンダーワンダー」

「焼き立てで買ってきたレーズンブレッドが

 固くなるまでの間も僕は

 解決の無い推理小説

 誰でもない主人公を続けているのさ

 僕にルールを与えてよミスター

 こんなときは何ていうんだっけ?」

 こんなときはなんていうんだっけ? なんて瞬間は無数にある。そして今でも大好きなgreat3の初期のノリの良いナンバー「DISCOMAN]


マンションのロビー 香り立つドーナツの匂い
 バランスとれぬまま 笑ったり泣いたり繰り返す
 Hey year 誰よりもうまくやってやるさ きっともっと
 かなわない夢もかなえてみせると 僕らはいつも愛を重ねる
 夢じゃない嘘じゃない上手く言えない
 それはつまりほら そんな year year year

[こんなときはなんて言うんだっけ?]「それはつまりほら そんなyear year year」

 とか、そんな適当なノリで、どうにかこうにかやっていけるような気がしないでもないし、駄目押しに大瀧詠一の「FUN×4」とかも聴いたりして。いつでも、不機嫌なしょぼいヴァカンス。そして、僕は、いつでも終わってくれないなつやすみの中。

 何だか、こんなに幸福で、どうにかなっちゃいそうな気がするどうにもなったりしないけれど。家には未だチョコレートがある。そして音楽も、悪くないんだっ、って。