東雲の夜光虫は君の肌の上

 一緒に動物園に行ってくれる、といっていた友達にちょっとしばらくいけそうにないという説明を受け、口では「わーていへんだーいやだいじょうぶがんばって」とか言ってるのだけれど、三十前の男と平日に動物園に行ってくれる友人は、他には……(白目)だって! 恥ずかしいじゃんかあああああ!!!!!! 超ハイテンションで動物とどうぶつるよていだっあtのによう!


 さすがに俺でも一人で動物園に行ったことないのだが、いくしかないのだろうか? ワイルドだろー(このワイルドだけどつまんない人のネタを見たことがないのだが)

 森本美由紀の訃報を目にして、何だか実感がわかないのだけれど、でも、やはり残念な、身体のどこかにとても小さな穴があいたような心持になる。これは、レイ・ハラカミの訃報を耳にした時(しかも彼は若い!)にも似ている。

 死を悼む、というのが、何だかわからないというか、それを口にするのは何だか憚られるのだけれども、彼らの作品は残るし、俺はそれを目に、耳にできるということはとても幸福なことなんだなあと改めて思う。どうも、ありがとう。


http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=HB_XMGQQENc#t=35


 涼しくなったと思いきや、暑さがぶり返してきて、外に出て歩くと汗ばんでしまうこともしばしば。GTAの広告があちらこちらにあるから、というか肩こりがやばくて、外に出る時はなるべく上を見るようにしているのだけれど、繁華街のあちこちで、広告募集の表示や電話番号が書かれた大きな白い看板を目にする。

 渋谷、新宿、恵比寿、六本木、とあちこちであり、たまになら目にすることもあるのだけれど、ここまで目立つのはここ数年のことだと思うのだけれど。ネット広告がさかんになって、ここにもそれが現れているというのも一因だろうと思うのだけれど、単純にどう考えても景観がいいとは言えない(それを俺は好んでいるが)繁華街に大きな空白がぽこぽこと出現しているのは、廃墟じみたしょぼいアミューズメント施設の香りがして、なんとなく、物寂しく、わくわくする。

http://www.youtube.com/watch?v=hMM8Kg-Hf30&feature=player_detailpage#t=12


 音質がクソなのもとても、この景色に似合いだと思う。(って、Mijk Van Dijkのはりたいのがyoutubeになかったからだけどね!)

 何だかうまい具合に眠りにつけない日々が続いていて、でもここで書き散らせるような軽度なものなのだけれど。

 でも、目を閉じて、いつまでも眠りを待っているのは、何度も携帯電話で現在時刻を確認してしまうのは(これ、しない方がいいのだけれど)、何だか不愉快なことだ。

 インソムニア、という歌詞だったり題名だったりがちらほらあるような気がするのだけれど、生活がサラリーマン的ではないであろうミュージシャン達には不眠症はそれなりに見られるものなのだろうか?

 インソムニア、でぱっと思いだす、一番好きなのはオリジナルラブかもしれない。
it's probably only insomnia insomnia insomnia insomnia……ネムラナイヨルと繰り返すのは、とってもぐだぐだしていて好きだ。眠れないんだ、


 けど、俺がそんな曲ばかり、テクノばかり聞いて生活しているというのはやはり身体にはあまりよろしくないというか、もっとセクシーな、生活に喜びを与えてくれるような曲を。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=pr0FGd6mN_0#t=3

 ミリオンシークレットオブジャズという題名もすばらしいと思う。本当に初期のオリジナルラブはソウルに傾倒していて、スマートだけれどやらしいアヴァンポップって感じで大好きだ。元気が出る、といえば、というか、少し空き広告の目立ち始めた新宿の街に似合いそうな、キノコホテルの、「もえつきたいの」

http://www.youtube.com/watch?v=8vY81HAvmOM&feature=player_detailpage#t=2

ヴォーカルのマリアンヌ東雲さんが、この声でマジ美人でかっこいいのもすごくポイントが高い。ドエスキャラの彼女には割と珍しい、身勝手でニコチンとアルコールがまとわりつくような胸キュンガールズポップ! 肝心なところは、悪いのはいっつも男のせい!(え!)

 すると悪魔がささやいて 何もかもが見えなくなる 
 だけど誰に止められよう
 もえつきたいのよ あなたと

 澄ました顔して 煙草をふかして
 クールな女気取る そろそろ限界よ
 どうしらいいの こんなのはじめて
 貴方が側にいないと 気が狂いそうよ


 
どうしらいいの こんなのはじめて
 貴方が側にいないと 気が狂いそうよ  


 って、絶対おめーうそだろ!(いや、瞬間的には本当かもしれないが!)って感じのやらしいヴォーカルに荒々しいGSがとてもいい。あ、最後の 気が狂いそうよ  だけは、本当かもしれないけれど…。


 眠れないので、映画を。

 谷崎原作で市川崑監督の『鍵』もう、これで見る前から満足してしまうというか、この名前にぴんときた人ならほぼ確実に楽しめるような作品だと思うのだが、曲者ぞろいの俳優陣もすばらしい。中村鴈治郎の貫禄がありながらも病気持ちの小心男のひょこひょことした奇妙な歩き方の妙、京マチ子の肉感的で、美人、とは言い難いのにもかかわらず、抜群の演技力というかつい目を留めてしまうような色気、仲代達矢の自信たっぷりの男前と出世手腕を持ちながらも、(配役上で)どこか頭や品性が足りないというか、詰めの甘さを見せる、優等生ではあるが所詮優等生でしかないエリートのかわいらしさ。

 こういった俳優を現代ではあまり見かけないのは、単に俺が最近の映画やドラマに詳しくないせいもあるだろうが、監督や育成所、事務所が求めていないということなのだろうと思う。俺は現代のカスタムがしやすい球体間接人形のゆうな俳優たちも好みではあるが、なんだか昔の映画を見ると、(って、昔のばかり見ているのだが)確かにそこに人がいたというような存在感を覚える。そういう人らが塵芥のように勇者のように小市民のように娼婦/男娼のように扱われている光景は、とても清々しい気分になるものだ。

 今、若い、磨き上げられた彼ら、彼女たちが大人になったら、どんな俳優に育っているのだろうか? 街の景色に似合いのものになっているのだろうか? 廃墟のアミューズメントパーク。日本の将来にぴったり、というような気もするし、俺もちゃんと、そういう風景も見られるように、元気に動物園にもいかなくっちゃと思う