戯れに君もメシア

 まだ喉が風邪の味がする。週末の予定がぽしゃって、俺だって風邪気味で、雪まで降って、でも、なんだか気持ちがほんのりと上向きなのは、ようやく作成を始めたからで、怠けていた分のツケを感じながらも、身体が頭がのってくると、非常に楽しいというか、生きてるって感じ、マジで笑。

 思考を整理して世界を編集しているかのような。

 『真・女神転生4』をプレイしながら、俺、もう五十時間以上プレイして、やっと終盤って、どんだけ時間泥棒なんだコノゲーム! たのしいからいいけど(よくないけど)。色々と文句はありながらも、でも、やっぱり楽しい。

 悪魔が蔓延る崩壊した東京で、銀座のヴィトンやシャネルから洋服を漁って換金したり、おばあちゃんに新宿のゴールデン街の写真を撮ってあげたり。東京都民で良かったと思える瞬間ですね笑。

 こういうニアヒアな感じが好きだ。巧い、嘘と現実が混ざり合って、混濁している感じ。夢の中のような。

 そう、俺はゲームの中で、五十時間もプレイしたから、というか経験知稼ぎなんてしていないのに、効率が良いプレイ(だと思う)のせいか、もう、レベル90(最高レベルは99だ!)のインドのシヴァ神が仲間になってしまったんだけれど…。偉大なる蝿の王ベルゼブブ先生も簡単にやっつけてしまったし、おまけに、メシアとかいわれちゃって。

 メシア、なんていわれたら、お世辞嫌いの俺としても、さすがに気恥かしくも嬉しく。そして、これがゲームの中の出来事、インスタント・メシアっていうのがたまらない。現実の俺とはなんも関係がない、でも、俺は物語をなぞって、一時的に紛い物のメシア。


 雪の日の翌日は驚くほどの快晴で、少し荒らされ始めた雪景色の中を行くと、すごく気分が良かった。

 http://www.youtube.com/watch?v=Z1bU8mR9ijg


  ゆらゆら帝国 - ズックにロック



 だめだ俺はもうだめだ

 オーイエー俺はもうだめだ


とか歌って行くと、とても気分がいい。




 電車内でミュッセの『戯れの恋はすまじ』を読む。これ、題名がとても洒落ていると思う。戯曲だし、と最初はあまり期待しなかったのだが、内容も楽しめた。というか、俺、戯曲ってサルトルとかカミュとかジュネとか三島とかの陰気なのばかり読んでいたせいか、こういう軽くてウィットに富んでいるのがすーっと楽しめたというか、解説を読むと箴言喜劇と呼ばれているらしく、その名に相応しい内容。恋した人が神への愛に目覚めて、現世の愛が汚らわしいものだと思い込んでしまったら?

 戯れの恋はすまじ、だなんて、恋ができたらそれだけで幸福なことのように思えるのだけれども。

 http://www.youtube.com/watch?v=mRDKi_IVPgA

 Pink Lady (ピンク・レディー) - Strangers When We Kiss


 これ、日本版が「うたかた」って題で、この英語版もいいけど、日本版めっちゃ好き。歌詞がたまんない。トップアイドルに

「 うたかたの恋でもいいの
 Strangers When We Kiss
 生きている 誰もが一人よ」

 とか歌わせるのが最高ですね。安野モヨコのおしゃれ服飾漫画『ジャリービーンズ』で高校卒業の時に女の子仲良しメンバーで選曲をする際にドナサマーとかアバとか言っているときにパンクな女の子が「ピンクレディーのうたかただ」と言ってそれに決まるエピソードも好き。


 って、俺、学校なんて全然好きではなかったけれど、な、



http://www.youtube.com/watch?v=tuoWbuhneDM


アーバンギャルド セーラー服を脱がないで



 ごめんなさい
 先生ごめんなさい
 恋に落ちてごめんなさい
 恋に生きてごめんなさい
 恋破れてごめんなさい




http://www.youtube.com/watch?v=GeLvarwlZdw


Soutaiseiriron - 地獄先生


 授業参観恋の予感
 家庭訪問は地獄の門
 放課後の校庭で課外授業の愛を知る
 
 受験戦争もう負けそう
 かよわいハートが折れちゃいそう
 ホームルームの教室で男女交際のうわさが飛び交う


 先生 知らないこと知りたいの
 見えないものが見たいの
 教えて教えて教えて
 ねえ先生
 最近寝つき悪いの
 金縛りはげしいの
 どうしてどうして
 ねえ先生


 未成熟な女の子が大人の男の手で、みたいなベッタベタなのが、彼らみたいに「小賢しい」プロデュースの中で成立すると、たまらない、いたたまれないポップソングになる。そう、主と奴の逆転が簡単に起きる。想起する。誰がどちらが囚われてしまったかなんて、誰にもわからないし、分からない方がきっと、素敵と言うか、単に、面白いだろう。

 不真面目な俺だったけれど、それなりに真面目にしていた時もあったし、先生、からの受けは、一部の先生には良かったと思うし、俺も(教師として)好きな先生はいた。そして、「大人」に憧れる気持ち位、自分で自覚していた。

 で、今はというと大人、の代わりに「メシア」に敬意を抱いている、とか思えば、アホらしいし、その方がきっと、楽しいような気がするのだけれども。