人生は人間に任せてくれたまえ

気分も体調もあがったり下がったり、でも、数週間前よりかはかなりましになり、というか数週間前はマジ(少し)やばかったなーと思う。それに残暑も少し過ぎてくれたことだし…前は数時間寝て起きてみたいな感じで、それだけでもう朝からヘロヘロだった。

 今はもう少し寝られていて、ありがたす。もしかしたら、トマトや梅干しや豆腐や半熟卵をほぼ毎日食べていたのが良かったのかも。サプリも野菜ジュースも飲んでいるのだが、なんか生野菜とかフルーツとかを食べると元気になる気がする。生の酵素だかなんだかの問題もあるのかもだが、単純に人の食べるものを食べている、食事を少しは大切にしている、というのは体にいい事なのだろう

 最近やっとセールが終わり気味で、買い物も抑え気味、なのだが、かなり買ってしまったカードで。しかもそのうちの半分か3分の1は未使用というバカっぷり…いや、秋冬物がクソ安くて買ったのとかあるし…早く洋服の自由のある季節になってほしいなー

 それでセールついでに女性物のアクセサリーも買ってしまった。レディースでもメンズでも、物によっては全然着られる、と思いきや、実際着てみるとシルエットがなんか変だったり(男性用、女性用の裁断をされているのだから当然っちゃあ当然だが…)そういうムリや力技をする若さや気力(無鉄砲さ)が少したりない、とも思う。

 でも、アクセサリー売り場はよく見てしまっていて、店員さんに「プレゼントですか」と聞かれてしまい、困る。本当に軽いプレゼントの時もあるが、たいていは可愛らしいものを見たいというそれだけなのだ。男にはお礼は似合わない、でも素敵な物の数々。やっぱりファッションの世界は女性のモノのほうがずっとキュートでクールでセクシーですごいなあと思う。女性ファッション史に比べて男性ファッション史のなんて単調で保守的なことか!

 多分、女性の服は小さな(イミテーションの)宝石のような魅力があるような気がする。マカロンしか食べたことがない、一つ千円(!)もするラデュレのケーキ。小さくてとても魅力的で、でも買う気にはなれない。宝石のよう。コフレ・ビジューというマカロンの詰め合わせは六個で2700円もするのだ。でもハコがとてもかわいい。本当に、ビジューのようなきがしてくるのだ。

 jane marpleの王冠リングを買った。男の俺には、小指にしか入らない、ピンキーリングになってしまっている。でもとてもキュートだ。王冠のした部分には小さな真珠のようなビーズが散りばめられていて、王冠の頂点にはリボン。ほんの少しだけメンズライクな、甘すぎないキュートなロリータテイストで、このブランドの物は男だけど何だか気になるのだ。

 それとミルクのデコレーションされたピンバッジだかブローチがあったのだが、それはさすがに俺にはムリ過ぎる、と思い買わなかったのだが、結局買おう、と思ったら売り切れていた…あーあ。でも、素敵なお菓子をショウウィンドウから見るだけってのも、そこまで嫌いではない。だって、山のようにあるお菓子を食べ続けることは出来ないから。見るだけでも、十分見らされる、こともある。

 渋谷のBunkamuraギャラリーで行われている
幻獣神話展?
遙かなる憧憬との対峙

 に行く。有名どころから新人の方まで50名以上が参加しているというのはやはり圧巻で、作品の自己主張がそれぞれにあって楽しい。伝統的な画法で描かれているものから、フォトショップでいくらでもコピーできるものまで。値段も最低2000円(!)から百万まで! という開きっぷりが面白い。ゲームやらアニメ大国の日本だから、今の時代の幻獣達と、数百、数十年前から(出品された作品としての)形を変えていないある意味目に馴染んだ幻獣たちがところ狭しと並んでいるのは面白かった。
 お客さんも他のBunkamuraの展示よりも入りやすいのか、多かったように思う。

 最近美術館に行ってないというか、そんなの頭からスッポ抜けていたから、行きたいなーと思った。ああいう場所に行くと気持ちがニュートラルになれる気がする。体中で鳴っているノイズが晴れるというかチューニングが合って音がたまゆら、静かになるというか、でも、そのノイズで俺は出来上がっているのだけれど。

 たまたまデザイナーの人とはなす機会があって、その人は本も漫画もゲームも読まないし、休日は家で映画をみたりとかだけ、と言っていた。美術にも音楽にも大して興味はないらしい。でも、服だけは好きで、服を作る仕事につく以外の選択肢は思いつかなかったそうだ。

 何か作る時って、様々な物に影響を受けたり刺激とかリラクゼーションを得たりするものだろう、と思っている俺とは対照的で、でも組織の中できちんと働いている彼は、自分のエゴとかよりも成果をあげる、売上をきちんとする方が周りも幸せになるしやりやすくなる、というまっとうなことを言っていて、あークソ短期な俺には真似できないこういうの、と思った。いや、形だけなら出来るけど。

 俺はコム・デ・ギャルソンが超好きで、川久保玲の挑発的な服も、それでいて経営が上手く行っているというのも本当にすごいなあと尊敬しているのだが、その人はギャルソンの服をいいと思ったことが一度もないと言っていた。でも、あの服で経営を成り立たせているという経営的な手腕について言及した時は、軽く「すごいね」と言っていた。うん。俺もそう思うんだ。

 自分とは違う人、自分の出来ないことをしている人はすごいなと思うし、それはパワーを貰える。まあ、気力のない時は他人のそれがまぶしすぎたり、存在として近しいものだと、目を背けたくなってしまうこともあるけれど。でも、意見の、意志のある人の話を聞くのは、本でインタヴューとかを読んだりするのはとても楽しいことだ。

 最近人間関係も少しグチャグチャだったのだが、そういうことをあまり口にしないで、良いことに目を向けるほうが(ついつい余計な感情にリンクする俺には)いいと思う。

 宝石を食べて生きていく魔法機械。アーティファクトを覗きこむ時、自分もまた、その一部であると錯覚できる、かのような