日曜

退屈な波打ち際が 窓越しに幻になって
 何の予定もない午後が 波に溶けて泡になる
 こんな日は喋りすぎないで椅子に腰掛けて
 あいも変わらずどんでん返しの無い毎日
 軋轢も忘れまどろむ午後

 アキト、ショコラ夫妻の、ベランダっていう名前の、最強のデュエットを聞きながら、鬱々として。気晴らしをしようと、物を買って、買って満足してしまって。

 かれこれ一年以上美容院に行っていない。気晴らしに自分で髪を切る、図工の時間のように、とても楽しい。金の問題、というよりも、美容院に行くのが億劫だ。洋服も買わなくなって。

 それで、リメイク、と考えて、でもそんな技術は無いから、鋏で切ることしか出来ない。古びた服が新しく生まれ変わる。俺は穴が空いている服と、穴が空いていない服が一番好きだ。

 穴だらけの服を着ると落ち着く、けれど、目立つので嫌だ、誰かと約束がある時だって、穴だらけの服(主にパンツ)でもいいかな?とか考えてしまい、リメイクをしたはずなのに着れる衣服が減るなんて。

 でも、髪を切る時、布を切る時は、考え事をせずに、ぼんやりと浮かぶイメージを追っているのだ。それは俺にとってらくがきに似ている。髪が切れるように、もっと早く髪が伸びればいい、服が切れるように、もっと服を買えばいい、そう思う。