クズやクズ

腑抜けてしまい何もしない日々。かといって、仕事に行くのも億劫。仕事をするのも仕事をしないのも嫌な俺は我儘。

 酷い人間がバイト先にきて、なんと一時間半も居座りクレームを言い続けた。ここのバイトを始めてから、色んな「アレな」人が来たが、その中でも一番「アレ」だった。いかに自分が正しくて、俺が馬鹿かを語りつづける。俺のことを貶しまくっているくせに、また何度も用件をいいまくる。何をしても文句。「君は俺の言うことが理解できているんですか?」間違いを指摘されると「お前はいらない」と他の人間を呼ばせる。でも、誰の言葉でもその人間は納得しなかった。こいつはまたバイト先に来る。すごいなあ、と思った。他のバイト仲間とかは「またあーゆーの来たよね」みたいな感じだった。すごいなあ、と思った。

 すごいなあ、と思った、俺が働いていること。何で未だ続いているのか、我ながら不思議だ。でも、もう辞めてもいいのではないかとも思う。それで、辞めたらどうする?

 一時期ではあるが、金があるわけでもないのに、仕事をせず、一人アパート内でひたすら携帯ゲームばかりしていた。それに疲れたら寝る、幾らでも寝れた。その間は少しも本は読めず、書くことも出来なかった。

 友人が自殺した。心不全ということになった。

 自殺とは風邪をこじらせるようなものだ。足を踏み外すようなものだ。誰にでも身近にあることで、誰もが過信している「自分にはおそらくおこらないだろう」って。俺はそう思っている。多分これからもぐだぐだ生き延びるだろうって。

 だけれど時々魔が刺す。Ipodを修理に出したことを悔やんだ。俺の手元に戻るには一ヶ月掛かるらしい。音楽が耳をふさいでくれたならば。行きも不安だった。いつもは聞こえないノイズが聞こえる。バイトの時間が終わったら「リチウム」や「ヘロイン」が聞きたかった、聞けなかった、でも俺は平気だった。俺は死なないしバイトを辞めないだろう、と思った。

 ゴキブリのようにやわでしぶとい俺は行ける所まで。瞳が活字を恐れるまで進め。