だらだらり

単身赴任中の兄と電話をしていて、近況を話す。ふと兄に「お前一年限定とかで名古屋来る?」と言われた。俺に強く「来て欲しい」というわけではなく、「そーゆーのもありなんじゃん?」てなノリだった。

 兄とはあまり仲が良くなかった。俺がスプレーを使う音、ドアの開閉一つで文句を言われ、黙っているとそのことを責められる。兄は後に自分の非を詫びてくれたが、それ以前に、相性が非常に悪かったのだ。俺の性格にも問題があるだろう。家族や兄弟が仲良しでなければならない、とは思わない。それに、こんなものでしょう、とも思っていた。

 そんな兄とは、二、三年前、二人とも一人暮らしをする頃から普通に話せるようになってきていた。電話の際に、兄がふと「お前と一緒にいるのとか、もうあんまないんだよなー」と口にした。そうだなあと俺も思った。二十代後半の会社員の兄には、フリーターの弟とへらへらしている時間はない。

 心機一転で東京を離れて出稼ぎをするのもいいかもしれない、と、楽しげなイメージだけが先行した、けれど、俺としても名古屋のマンション(会社で家賃補助が出ているから広いらしい)に引っ越すならばそれなりの出費と荷物の処分を行うことになるだろう。それに、俺は単純に家賃が浮くことばかり考えていたのだった。目先の金のことばかり考えてしまう、浅ましい俺。

 ぐちぐちと悩む、悩み、を、友人に話すと、「逃避傾向をどうにかしたら」というようなことを諭された。因みに「いっぱいいっぱいだし、数ヶ月、前向きにさあ、創作の為にひきこもりたいってのも考えているんだけど」と言うと、

「ネロ(仮名)君は人間嫌いだから、ひきこもるとドツボにはまると思うよ。やめたほうがいいよ」

 と適切なアドバイスをいただきました。タイへの移住は論外だそうです。
「だってそんな所にいるの無気力人間だけじゃん。ネロ(仮名)君耐えられないでしょ」
 いや、まあね、俺も、無気力な時と、何かしていないと落ち着かないのが交互に来る感じで、無気力と言うか肩の力抜けている感じっていいじゃーんへへへへ、でも、ね、やっぱ真面目な燃えてる人のほーが、やっぱ好きかなー。
 てか、人間嫌いって!ちょっと根性なしでちょっと短気でちょっと神経質なだけだもん!

 てか(自分の金だけど)ひきこもりたい、って言って「いいんじゃん?」って言う人って友達としてどうかってかんじですよね。皆「うーん、考えたら?」って思うよな。そりゃそうだ。

 最近は全く読まなかった、経済、経営、系の本をぱらぱらと読んでいる。知らないことを目にするのはそこそこ楽しい、のだが、やっぱ文学とか芸術の本だけ読んで、それだけのことを考えて暮らしたいなあ、と考えてしまう優柔不断な俺。

 まあ、しばらくはぐちぐち考えたいと思います。あ、前からか。