天蓋は模造宝石

 何だか出費が増えているというか、今回に限ったことでもないけれど、大量に買って。封も開けずに床に山積みになったものがそこそこあって、でも買ってしまう。それがそこまで悪いことでもないと思うのは、俺が買い物が、いろいろと見たり読んだりするのが好きだから。

 それでもなーって時に、聴くのはやっぱノリがいいのがいい。

http://www.youtube.com/watch?v=zzjetpX_5-I

ravex - 1 more night feat. MONKEY MAJIK


FPMのプロデュースアルバムの中の一曲で、そのCDに入ってるのはもっとコンパクトでスマートなHOUSE仕様だけど(YOUTUBEにはなかった)、この原曲だって素敵だ。「ワンモーナイッ! ヒーウィズユー!」って、何度だって、繰り返して。

http://www.youtube.com/watch?v=wL2HKKrY7sM



 Kylie Minogue - WOW


 ほんとこの人はいつまでも第一線で下品でゴージャスで素敵だなと思う。


 元気をくれるのって、下品だったり隙があったりする、ダンス、ハウスミュージック。


 所用が済んで、上野の公園にふらっと行くことにしたら、なんと園内の入り口付近に少しだけ桜が咲いていた。あーいいなーと思ったのだが、ちょっと場所があまりなのと、やはり(木の)量もそこそこなので、やっぱお花見というわけでもなく、でも、少しわくわくする。

 生憎見ようかなと思った展示はどちらも四月からで、園内で音楽を聴きながらぼにゃりとシャボン玉を吹く。いやーマジ癒されるなー。てか、ほっとするんだ。ぼーっと出来る時間って、すごく贅沢でどうでもいいことで、幸福な映画を見ているような感じだ。好きな映画を見るときに、俺はさまざまな着想が生まれ、物思いに耽ってしまう。そう、シネマの現実があまりにも豊かで素晴らしくて、俺も官能を感銘を受けて、その世界に属してしまっている感じだ。たまゆら、二重の生を受けている、かのような。


 最近(でもないけど)映画を良く見ているが、最近の邦画というのにはあまり、といった印象が強く、また、実際その通りだったりしてしまったりもしたのだが、松山ケンイチ主演の『ウルトラミラクルラブストーリー』が、思いがけずすごく良かった。

 脳に障害がある田舎者が都会から来た女性に恋をして、みたいなどうでもいい説明が一応の筋ではあるが、そういった「いかにも」な胡散臭さが全然感じられないのがとてもよかった。ちょっとおかしな人をおかしく撮らない、というのは監督がまとも、誠実だからだと思う。ラストの展開も(割と性格の悪い映画を見てはいるが)久しぶりにちょっとびっくりした。あれを絶対に受け入れない人もいるだろうが、あの行動はあの人の職業として間違ってはいないし、思いを受けた者としても十分に理解できるものだった。


 また、主演の松山ケンイチが良かった。俺はあまり俳優に「うまい」と思わない方で、それは監督(編集)によってどうにでもなってしまうものだからで、それでも彼のような人を見るのは気分のいいものだ。すごく演技がうまい、というわけではないだろうが、それよりももっと役者っぽい、熱さがフレッシュさがあるのがいい。こなれた感じではなく、そのキャラクターが生き生きとしているかんじを彼を見ていると感じるのだ。


 その松山ケンイチが書いた大河ドラマの時期に書かれたエッセイ・日記『敗者』をよむ。これが面白かったし、勝手に抱いていた彼のイメージが良い意味で少し変わった。

 純朴で真面目でお調子者で甘えん坊、ではあっても、野心家で貪欲でどーしようもない、見たいな感じも彼は隠さずに言葉にしていて、いいなあと思う。


 彼が疲れた時に代々木公園でリフレッシュする。みたいな記述がちらほら出てきていたのも共感した。マジ、俺もおっきな公園に行くとリフレッシュというか、気分を少しリセットできる気がする。落ち着きのない俺だからこそ、ぼーっとするのって、大切だなと思う。

 それと彼が性に関してとても大切にしているのも興味深かった。シモネタとかにしないで、誰かとするのは大切なことで、ゴムは絶対使えとマナーについてテレビで語ったらカットされたとかも書いていたし。

 それを含めて、彼は誰かとどんどん交わる、話す影響を受けるというのを前向きに自分に取り入れようとしているのもいいな、と思う。


彼は語る。

「わいにとって生きる気力を与えてくれる存在は「面白く」生きている人だ・じぶんよりも面白い生き方をしている人は世界にあふれるほどいるが、その人の話を聞いていると少し悔しくなって、わいだってもっと面白く生きてやるぞと思ったり、新しいことにチャレンジしれ面白い経験をしてやるぞと思ったりする。」

 また、監督によって細かく演出方法が、意図が異なることについてもそれぞれ語っていて興味深い。彼自身頭で考えていることが、今までの経験が役に立ったり立たなかったりすることについていろいろと語っていて、それでも前に進めるのは、彼が野心があって、それを楽しんでいるからだと思う。

 平清盛が言った言葉
 志無き者の一生が面白うないのは道理
 志とはなんだろうか? わいは牙をもつこと、その牙で上にのぼっていくこと、だと感じた。

 わいは強欲な人間である。だから楽しい。そこに向かっていく過程が楽しい。

 それぞれのやり方で、人生を楽しくしよう、もっと挑戦してやろう、っていうのは、素敵なことだなと思う。

 新しいこと、とか志、とか、言うだけなら簡単だけれど、彼はそれをしているんだなって思うし、そのためにはきっと、いろいろなものに触れなければなって思う。肌でも活字(作品)でも。バランス良く。太陽とか、太陽みたいなのにやっぱ元気がもらえるし、俺のどこかもジルコニア位にはたぶんね。