花園で死す

 ちょっともう自分ではどうしようもないので、観念して病院に行く。保険料払ってなので、その点が気がかりだったのだが、なんと!払ってないのに大丈夫でした。わーい。わーいじゃねーよ。

 一回で保険効いて4000円て、まーしゃーないなーてか、気が重いのがこれだけじゃなくて他にも行かんとな〜っていうか。オレって結構病気の巣窟。まあ、でも、30にもなると、どっかしら悪いもんだろうけど。



 というか、身体にもろに出てきたので、体調管理のためにストレスを溜めないような生活を、と思ったのだが、これってめっちゃ難問じゃないでしょうか!!!
途方に暮れる。まあ、たまにはイヤホンを外して生活しようと思った。


 新宿のM2ギャラリーの 郡山総一郎 Soichiro Koriyama   Apartments in Tokyo
を見に行く。事前情報とか見ないで、フライヤー見て行った。ちょい寂しげで、しかし人のいた息遣いのある家内の写真なのだが、入り口のキャプションでこれが孤独死した人の部屋の写真だと知る。こんなのばっか好きな自分って、と思わないこともないのだが…

 人の家、部屋を見るというのが好きで、人を部屋に招くことが出来る人はちゃんとしている人や、そういうのがほぼ全く気にならない人らで、そのどちらもが面白い、し、それにそこが自分とは切り離されているからかもしれない。それぞれの息遣いが、小さな好みやら可愛らしさ、乱雑さ、というのが、なんだか少しだけ愛おしいのだ。つかの間の愛着、人にも物にも。

 この写真展の郡山総一朗は報道写真家らしく、他の写真はかなり構図がコマーシャル的ちょいファッション写真より、みたいな感じで、手前に大きなモチーフを配置ぼかし、みたいなのがちらほら…嫌いではないのだが…でも、福島の写真の、葬式の様子の写真は好きだ。というか、葬式の写真って、風景ってなんだかとても心が落ち着くのだが…。

 昔のVOGUEで活躍していた、クリフォード・コフィンの写真が好きなのだが、彼の名前も好きだ。coffin. 棺と言う名の、硬質な、或いはクラシカルでエレガントな写真家。

 ファッション写真、ファッションなら、軽薄でゴージャスでハイセンスで、要するに幸福のための、気分を少し良くする為のモノという気がして、いい気分になる。まるで、シャンパンのような。

 お酒を売る商売をしている人がお客さんに「ドンペリって実は美味しくないよね」ということをたまに言われるということに対して、(本人の前ではなく)反論をしていて、

 要するに無闇矢鱈に有難がるようなものではないし、そもそもそれぞれの好みというものがあるもので、きちんと作られたお酒自体は素晴らしいものだから、もし好きなら自分でいろいろ試して好きなモノを見つけよう、というとても真っ当な主張で、

 それを踏まえた上で、ファッションとかはシャンパン、スパークリング・ワイン、炭酸水、サイダーのようなもののような気がする。腹が膨れたような気がして、すっきりして、少し、香りや甘さが残る。素敵な物。

 金がやばいなーと思いながら、魔が差して(年がら年中魔が差しているのだ)、ナンバーナインの指輪を買った。ここのブランドにしてはシンプル(で値段が安め)なもので、自分にとっては高校の頃から好きなブランドだ。もう大元のデザイナーの活動はしていない(関わっていない)のだけれど。

 オレのイメージする男っぽい感じで、わくわくするのだ。女の子にしか似合わないものがあるとして、例えばオレはMarc Jacobsとかkate spadeとか、それなりに安価なのにキュート、みたいなのってやっぱり女の子がぎりティーンの男のイケメン(ジャニーズのイケメンとかならヤンキーカチューシャみたいなのもありのような気がする…)しか似合わない、というか、がちゃがちゃしていたりキラキラしている、キッチュな可愛さって、やっぱ女の子の方がずっと親和性が高いというか、似合うと思うし、選択肢が多くて羨ましいなーと思う。

 でも、オレが大好きなブランドは男が着こなせる服だと思う。ナンバーナイン、リップバン・ウィンクルとか単純にロックよりのもそうだが、そういう男臭いのに、どこかセクシーな、品がある、スタイリッシュなのっていいなって思う。

 例えば、オレは花、とか花束って女性が似合うような気がするのだが、むせかえるような花々、花園、繁茂した自然、そして庭師や彫り物の花々は、男がよく似合うような気がする。百合の花の匂いのような、思わず顔をしかめるような、悪臭か芳香かは、その人次第の。

Bunkamura Gallery新世紀少女宣言 - 少女のための解放区を見に行く、というか、松永天馬(アーバンギャルド ) × 宝野アリカ(ALI PROJECT )のトークショーがあるのだ!
しかも整理券もらえば無料で参加できる。

 のだけれど、体調があまり良くないので直前までぐだぐだしていて、当日の朝珍しく、さっさと部屋を片付けたり洗濯をしていたのだが、券がなくなってたらどうしよう、と思いながら渋谷に向かう。オレ、並ぶのが嫌いなので、そういうのの目安?が分からない…でも、配布数十分前に行ってゲットできたので、まあ、そんな感じで今回はラッキーでした。

 会場の中は、まあ、思っているような感じというか、見る前からわかっているような展示なのだが、でも、嫌いだとか凡庸とかいいたいのではない。今井キラのポストカードは買ってしまった…かわいい…

 当日のトークショーは、二人のテキストとか音楽に馴染みがあるから目新しいところはないのだが(二人だってコアな自分のファン向けという感じでは話していないし)、それでも楽しい。

男性の描く女性は、その多くが女性のめんどくささ、ゲスい言い方なら生理のにおいみたいなのをなかったコトにする、みたいな問題にも触れていて、でもそこをうまく消化する天馬はどこか狙いすぎなキッチュさであってもやっぱりいいなって思う。あと、でんぱ組が女性プロデュース的で(実際そうだが)、bisがその対照的存在だったと音楽のプロからの視点はベタだが説得力があったなー。好きなように、できたらって、アイドルたちのことだって、少しはそうおもうんだ。

マーメイドドレスにデコラティブなヘッドドレスの宝野アリカ、の目元のつけまつげが、まばたきする度にきらきら光るのが素敵だなと思った。あと、シンプルなスーツの天馬もネクタイだけが金属っぽい輝きで、いいなーって思った。きらきらしてるのばっかすきなオレ。仲良くない人に、カラスの羽とか似合いそうだね、と言われたことを思い出した。カラス、光物好きだもんな。

 その後会場で買ったらサイン会、みたいなのがあるのだが、今までサイン会に行ったことがないオレは、なんだか微妙な気持ちになる。サインはもらって嬉しいものだろうか? 批判したいのではなく、分からない。嬉しいような気もするのだが…

 その代わりに、また、街にいるのだから散財をして、少し、遊んで。一人になって夜の帰り道で「ばっかばっかばつかみたーいしにたいなー」とか無意識に歌っていた。アホか。疲れてるのかなとは思うし、アホはアホだなーとも思う。でも、それなりに健康じゃないとアホとかばっかみたい、なこともできないわけで。

 未だ、夢の中のような、そんな気がしてしまう。おやすみ。