散りゆくのが君の好きな

 桜の季節だ。咲き誇る桜の木々も美しいが、それよりもはらはらと散って行く光景はとても美しいと思う。鳩居堂の絵葉書に、葉桜の柄もあるのだが、花がだいぶ散ってしまった後の桜の木というのも、春の終わりを感じさせ、趣深いものだ。

 橋の上から、散って流れ行く桜の花々を目にする。その光景を花筏というのだが、花筏、というこの単語はとても好きで、日本語というか、日本人でよかったな、と、思ったりもする。

 久しぶりに川端康成の著作を読む。彼は俺が日本で一番好きな作家なのだが、中高でほとんど読んでしまったから、たまに好きな『雪国』や『眠れる美女』やらを読み返すくらいで、おぼろげな記憶ながら全集も読んでしまってあらかた読んでしまった、と思っていたのだが、最近適当にまとめて買った中に『舞姫の暦』という未読らしいの単行本があった。

 解説によると初めての新聞連載らしく、田舎に住む愛しあう若い男女が都会にばらばらに出てすれ違って、という内容で、最後も尻切れトンボ的で、正直全集にも入れてない(はず)の、あまりできがいいとは言えない小説であるけれど、

 本当にこの人の心理描写、という言葉が陳腐に思えるような、人間の情感を見透かした表現や情念というのは、胸に来る。クールで冷徹で、突き放しているように見えて、情感豊かというのは中々出来ることではないと思う。

 家の中の文庫本を探すのが面倒なので、図書館で彼の本の予約をする。最近の人のも読まねばなと思いつつも、やはり昔の人のを読み返している。

 時に、疲れたり、何もする気力がなくなってしまうのだけれども、ゆっくりとした時間をとって、読書をするのは、最近疎かにしていたから、しなければなと思う。

 あ、ユニコーン、というか、全く知らないマイリトルポニーの 青いペガサスフィギュアを買ってしまった…ていうか、四谷に二件ある教会ショップにここ一ヶ月ちょいで四回も行って天使やらキリストやらを買っていたら、店員さん(シスター)に覚えられてしまったらしく、信者ではないのにきまずい。というか、家の中が子供の葬式場っぽい!!(家の中が聖品と玩具ばかりだから!!)

 もっと家の中を葬式っぽくしたいと思いました。祭壇ほしいな〜 てか、もっと広い家に引っ越さなきゃ無理だ…