2008-01-01から1年間の記事一覧

はははいはい

荒唐無稽を許せる時は、あくまでそういった強引さを楽しめる時だ。楠本まきの『乾からびた胎児』だか、そういった題の本を以前読んだ。細かい設定や台詞に誤りはあるだろうが、大筋は間違っていないはずだ。以下最初の方のあらすじを書く。 性格の悪い美形の…

ENTER

あまり好きではない平野啓一郎の初期エッセイの中で、少し気になる箇所があった。彼は普段漫画を読まないと最初に断った上で、その理由の一端に触れる。それは漫画が「だから」「なのに」に守られているということだ。漫画は凄ければ漫画「なのに」という形…

綺麗な綺麗な

久しぶりに美術館に行った。素通りするのはビデオアート、コンセプチュアルアートの類。概念芸術は最初の一つが提出された時点で、後は猿真似、幼稚な共感でしかない。壁にキャプションをつけ、説明を読まないと自立出来ないものが芸術作品か?シュールレア…

非常勤って結構大変、って非常勤の人が言ってた。

佐々木敦の『絶対安全批評宣言』を、興味ない部分は多少飛ばしながらも、読み終え、何ともいえない気持ちに、これは、以前同著者の『ソフトアンドハード』と言う評論・エッセイ集を読んだ時にも感じたもので、俺には、佐々木の文章が正直魅力的だとは思えな…

Please stop!

「僕はその二冊(ベストセラー小説)を埋めた。目下の問題はなにか読むものを探さなければならないということだ。読書の無い生活は危険だ。人生だけで満足しなければならなくなる」 ミシェル・ウエルベックの『プラットフォーム』を読了して、少し寂しい。邦…

梨の花

俺の憎しみは、ラムネを包む安っぽい赤セロファン。薄いそれを太陽に透かして見ると、薔薇色に見える時もある。何時までも憎しみが薔薇色だったらいい。感情はセロファンのように、簡単にどこかへ行ってしまう。 最近は薔薇に限らず花を全く買っていない。(…

神様の骨はビスケット

「彼の眼から、たるんだ眼瞼の下へ瞳が溶けて流れた眼窩から、蜂の群が飛び立つ。市街戦の銃弾に斃れた若者を食らうのは、若い勇士を食い平らげるのは、容易なわざではない。ひとはだれしも太陽にひかれる。私の唇は血まみれだ、そして指も。歯で私は肉を食…

neko

朝から軽い吐気がした。普段通りの日、だったけど、実家から入っていたメールが猫の死を伝えた。 俺は猫を二匹飼っていた。一匹は二年前に死んだ。俺は二年前と同じように、柔らかく、変な形で固まった身体に触れると泣いた。死体の上に嗚咽や涙や鼻水を垂ら…

僕の好きな吐き気

俺にとって世界一セクシーな男は、カートかルー・リードで決まりなんだけど、普通の時に彼らの音楽を聞いていないことに気が付いた。彼らの音楽は気分が悪い時や、気分が良い時によく合う。 音楽をただ聴いて、ぼうっとすることが、せっかちな自分はあまり出…